« 2007年4月6日

2007年4月8日の投稿

2007年4月11日 »

 可視化手法(最近は「見える化」と呼ばれる)は、人が直接は見えないモノを工夫して見せることによって、モノゴトの理解を促進したり気づきを誘発したりする手法で、経営手法としても有効だと言われている。ナレッジマネジメントの導入効果としても「見える化」は良く使われる。これらの手法については今も多くの専門家達が日々研究をされているようで、実際先日紹介したソーシャルグラフの「many eyes」や「swivel」なんてのもその可視化手法をWeb2.0的な集合知と組み合わせて活用しようという試みの一種だと言える。

200748214037281 さて、そんな可視化手法(見える化)の中で私が今一番注目している(ホント)のがこの「べつやくメソッド」である。思い出などの気持ちや感情は文章(ブログ)よりは円グラフにした方が表現しやすいのでは、というべつやくれい氏の提案である。べつやくメソッドの定義については、4月1日のインプレスのエイプリールフール記事での説明が的確に表わしていると思うので以下にそれを引用する。

 「べつやくメソッド」とは、本文のすべての内容を1個の円グラフで表記することにより、読者は一瞬で内容を理解できるほか、ライターの執筆速度も10倍以上になるという画期的なメソッド。2007年に「デイリーポータルZ」上でべつやくれい氏によって提唱され、放課後電磁波クラブ並みにムダを省いた表現方法として、国内外から注目を集めている。
 

窓の杜での定義はこちら。

 “べつやくメソッド”とは、感想やインスピレーションなどを1つの円グラフで表現する一種のプレゼンテーション技法。複数の要素を印象の強い順に大きく表示することで、文章で説明するよりも端的に内容を伝えられるのが特徴だ。

 たしかに作者の意図を伝えるのに円グラフを使うというのは良いアイデアだと思うのだ。場面にもよるが、人間だれでも発言するときにある特定の感情だけで100%であることは少ない。自分の意見を主張する時だって、「絶対譲れない」「とりあえず作戦的に言っておこう」「黙っていると馬鹿だと思われから言っておくだけ」「別にどうでも良いけど聞かれたから答えただけ」なんて発言の背後にいろいろな感情が複合しているものだ。でもそういう時でも、発する文章内の言葉の中で感情の種類をこと細かく表現して使い分けられる人なんてほとんどいない。会議などのリアルなコミュニケーションであれば、表情や口調、抑揚、身振り手振りといった言葉以外の補足情報でそういった感情を補うことができるが、メールやブログといった文字だけのコミュニケーションでは、これまで補足情報を伝達する手段が乏しかった。従来は(^^)などの絵文字ががこの分野の唯一の支援手段であったが「べつやくメソッド」は、絵文字に勝るとも劣らない画期的な補足情報の伝達手段になる可能性を秘めている。

 そもそも思考法だとかコミュニケーション手法というのは、使用する言語や文化的背景に影響される部分が大きいのでグローバル化が進んだとしてもそう簡単に欧米のモノが日本で定着するわけではなく、日本で普及・定着させるためにはある程度のアレンジが必要だと常々思ってきた。だいたい可視化手法という手法も「見える化」というように日本的に再定義されてからヒットしたように、だれかが日本の文化にあわせて翻訳を行うことが普及する為には不可欠なのだと。

 しかし、この「べつやくメソッド」は、最初の気づきのきっかけこそはアップルのコマーシャルとは言え、日本で生まれた手法だ。日本人にかなりとけ込みやすい。思えば絵文字も日本発だった。「べつやくメソッド」は、次の日本発のコミュニケーション支援手法になるかもしれない。実際に「はてブコメント最新情報 」では欧米発の「タグクラウド」よりも「べつやくメソッド」のほうが可視性に優れるとして既に円グラフが取り入れられた。
 ただ、私が一点気になる点は「べつやくメソッド」における使用フォントの影響力の高さである。「べつやくメソッド」では手書き風のフォントの素朴さが、円グラフの理解度の促進に一役買っている。アルファベット文字圏にこのような素朴な手書き風のフォントがあるのか、私は知らない。「べつやくメソッド」が国際的になるためには、このフォント問題がハードルになる可能性はある。
 
 さて既にこの「べつやくメソッド」を具現化するための支援ツールとして、いくつかのソフトウェアやサービスが発表されている。以下私が知っているモノをここにまとめる。

  • みんなのグラフ(verβ)
     大元のネタをきっかけに参加者で適当な円グラフを作って共有し楽しむサイトとしてオープン。たぶんこのあたりがブレイクのきっかけになったと思っている
  • 超かんたん3D円グラフ作成!
     オンライン上で超簡単に「べつやくメソッド用の円グラフ」となる3D円グラフを作成できるサイト
  • べつやくメソッドクリエーター
     作者のページからダウンロードが可能。窓の杜での紹介記事。2007/4/4に公開され既に3度のバージョンアップ。最新版はVer.1.2.1。従来機械が苦手としていた「下手さ」の表現に優れており、フリーハンド的描画を醸し出せる。「へた字フォント」など特殊なフォントと組み合わせることで最強の円グラフを書くことが可能
  • べつやくメソッド用 円グラフ作成君
     Webでのべつやく式円ぐらふ作成ツール。作成時に利用フォントを選択(現在は4種類)することができる。作者曰く『べつやくさんの『あのテイスト』を再現できるよう努力しています。』とのこと
  • JSChart
     アシアル株式会社から円グラフ作成を提供するサービスとして公開。無料版以外に商用版もある。WebAPIも提供されている
  • べつやくめそっど
     OKILab.jpが作成した円グラフ作成フォーム。項目数は5つまでという制限があるが、フォーム入力だけで手軽に描画が出来て便利
  • べつやくメソッド.NET
     zioさん作成。項目数は6つまで。外周円の解像度、分割線の解像度、などの細かい調整がスライドバーで出来る
  • HeartRails Graph キュートな円グラフ簡単作成サービス
     株式会社ハートレイルズが提供する、円グラフを作成・表示できるブログパーツ

以上、一部をZAPAさんの「円グラフ流行の流れ」を参考に記載。また、今の私の気持ちを「べつやくメソッド用 円グラフ作成君」で円グラフにしたモノを参考までに添付しておく。

この日記のはてなブックマーク数

» 続きを読む

yoi

« 2007年4月6日

2007年4月8日の投稿

2007年4月11日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP


プロフィール

吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

詳しいプロフィール

カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
knowledge
カテゴリー

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


Special

- PR -
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ