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 コンサルに限らずプロジェクトを進めている際に、案外と問題になることが多いのが言葉の定義についてである。同じ言葉であっても組織によって意味が違うことは良くあることだ。例えば営業部門で“見込み”なんて言葉を使う時に、ある会社では「希望的観測を込めた期待数値」を“見込み”と言うのに対して、別の会社では「ほぼ達成確実な非常に現実的な数値」を“見込み”と言ったりする。これはかなり極端な例だが、打合せや会話をしているときに同じ言葉を使っているのにお互いに意思疎通が上手くいかないのは非常に困るものだ。

 ちなみにこういったコミュニケーションを取る当事者間に共通的な概念が存在せずそのために生じる意味上の雑音は、専門家によってセマンティック・ノイズ(semantic noise)と名づけられている。
 @ITでも以前「言葉の不統一がもたらす業務とシステムへの悪影響」なんて連載記事が掲載されていたし、ソフトウェア業界全体としても問題だと認識しているようで「ソフトウェアバグの標準辞書が完成間近--業界内での用語統一に期待」という記事も見たことがある。当オルタナティブ・ブログでも以前に誰かが同じようなエントリーを書いていたように記憶している。@ITの連載記事では、この問題を回避する為にプロジェクト内の「用語辞書」を作ることが提唱され、実際の辞書の構築方法も解説されていた。有益な記事だと思う。

 しかし「用語辞書」を作るのは、この記事にもあるように結構骨だ。もうちょっと楽にならないだろうか。例えばネット上に優良な用語集なんかがあれば、それを活用できないのかと・・。それでふと思い出したのが、昔に見た「定着するかな?、外来語言い換え――国立国語研、事例集を作成。」というニュース。これは、国立国語研究所の「外来語」委員会が以下の目的で発表したもの。

 公共性の高い場面で使われている外来語のなかにも,一般への定着が不十分で分かりにくいものがあります。そうした分かりにくい外来語について,分かりやすく言い換えるなどの工夫を提案し,言い換えを必要とする人々の参考に供することを目的としています。

 第1回から第4回までに分けられて合計176語の外来語について識者から日本語への言い換えの例示を纏めてくれている。全データはここここで入手可能だ。

 最近私が経験したセマンティック・ノイズが起きる場面のいくつかでは、まさに外来語がその原因になっていた。「アクション・プラン」という表現で「実行計画書」を提示したところもっと具体的に自ら行動をすることを求めらるような事があったのだ。また、セマンティック・ノイズの話とはまったく別の話として、世の中には未だに「横文字を使うな!日本語で話せ!」と命じる人が結構いる(実のところ私自身も横文字多用の会話はあまり好きではない)
 早速このページ上のデータを加工して個人のIMEに登録してみた。手順は簡単である。カタカナをひらがなに変換したうえで以下のようなテキストファイルを作ってIMEのメニューから「Windows IME 辞書ツール」→「ツール」→「テキストファイルからの登録」で読み込ませれば完了だ。

あかうんたびりてぃー<tab>説明責任<tab>名詞<tab>外来語言換提案

これで「あかうんたびりてぃー」と入力したら「説明責任」と変換されるようになった。このページのデータはその他の用例も含めて全部登録したので「プレゼンス」と入力したら「軍事展開」と変換されたり若干違和感を感じるときもあるが、3ヶ月ほど使っておおむね快適である。

 これに気をよくして国立国語研究所に、私が加工したIME用の辞書ファイルをダウンロードできるように公開して良いかメールにて確認したところ、

> 外来語言いかえ提案については、今年度第1回から第4回の
> 内容をまとめた本を出版しております。
> その際に、出版者との間の契約で、販売に支障の出るような
> 著作を公表しない、という条件が入っているため、

ということでIME辞書用ファイルそのままの公開は許可していただけなかった。残念だ。(せっかくなので、この際の私の気持ちも、べつやくメソッドで表しておく)

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yoi

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吉川 日出行

吉川 日出行

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