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 昨日のエントリーで社内SNS導入時には、ゴールとなる最終的な姿を決めておくことを強く推奨した。舌の根も乾かぬうちになんだが、ゴールがなく社内SNSを入れるケースが稀にある。ほとんどは駄目だが、例外もあるのでその話を。

 まず最近増えているが、政治的理由やその他の理由でなぜか「コミュニケーションを活性化させる」ことが最終目的で社内SNSに着手するケース。正直こういうケースは、後でひどいことになることが多い。例えば浸透が進まずに社内SNSでの発言を増やそうと毎月自己紹介を書くことを義務つけたり、毎日日記を書けと指示が出たりする。そのうち今度は逆に「社内SNS(のような公の場)に顧客の事を書くのはけしからん」等と怒られて日記に書くことがなくなったりする。だから「コミュニケーションを活性化させる」という曖昧な目的だけで突き進みそうになったら、出来るだけ関与しないように距離を置くのが良いだろう。

 例外なのは、福利厚生として社内SNSを入れるケースである。

 組織の中で他の人とコミュニケーションを取るべきかか取らないべきかと問われたときに、あまりにも過度にならない限りコミュニケーションを取ったほうが良いというのにはほとんどの人に通常は賛同してもらえる。少なくとも組織で一緒に働く同僚について、結婚してるかしていないかとか、子供の性別や歳とか、出身地はどこで今はどのあたりに住んでいて、休みの日にやる主な趣味は何か、くらいの情報を会話の中でやり取りしておくことは、あまり害にはならないし益になることのほうが多い。ところが最近の日本企業では昔に比べるとこういった基本的なコミュニケーションすら減っていて、それが問題になっている組織がほんの時たまある。確かにこういう組織では「(基本の)コミュニケーションを活性化させる」ことで失われた協調性や一体感を取り戻すことは目的になりうる。

 「コミュニケーションを活性化させる」ことが目的となると、まずは相手の顔と名前を覚える、次に家族や趣味といったバックグランドを理解するということになる。こうなるとこれは昔の日本企業でよくやっていた運動会や社員旅行と同じモノだと捉えるのが自然ではないか。

 くしくもち半年ほど前の日経ビジネス(2006年7月17日号)には「運動会に燃える若手社員」という記事も出ていた。独身寮の復活もいくつかの会社で行われている。日本能率協会の調査社会経済生産性本部の調査によると「会社の運動会などの親睦行事に参加してもよい」と答える若手社員は8割を超えているそうである。

 年末に放送されたNHKの「にっぽんの現場 取り戻せるか 職場のきずな~会社運動会 再び~」という番組では、会社運動会を通じて本体の社員だけでなく関連会社の社員まで巻き込んで組織への求心力や一体感をとり戻そうという試みが取り上げられていた。
 NHKによるとこの番組は2月17日(土)の15:05~15:48に再放送されるそうなので興味ある人は是非見て頂きたい。番組の中のアルプス電気が3億円かけて行った運動会では、事前の練習に参加する派遣や請負の若い女子社員が、最初は「嫌です」とか「正社員だけでやって欲しい」とダルそうに言っていたのが最終的には「(参加して)良かったです」という笑顔を見せたのが印象的だ。

 こうしたように会社運動会や社員旅行には一定の効果がある。しかし毎月社員旅行をするわけにもいかない。小さい子どもがいる社員は大変だし、たまたま子供の学校の都合があわないなどいう事情の社員もいるだろう。会社運動会には巨額な費用と会場が必要になる。
 だからこれを替わりに社内SNSで補完する。というのは良いと思う。時間も場所も選ばず個人の都合で参加できる。運動会や旅行と同じようにどうしても参加したくない社員は参加しなくても良いはずだ。後から参加したくなったらその時だけ参加すれば良い。社内SNSは福利厚生だという所以である。

 そして福利厚生なのだから業務に直接繋がるような効果を期待しなくても良いし、費用対効果を測ったりする必要はないのである。

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吉川 日出行

吉川 日出行

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