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 先日iUGの第5回の勉強会に参加した。前回は講演者側での参加であったが今回はNTTデータの事例発表ということで聞く側での参加であった。さてこの勉強会では講演を聞いた後にいくつかのグループに分かれてディスカッションを行い最後にそれを発表する形式をとる。そのディスカッションと発表の際に非常に気になった傾向がひとつある。

 それは、社内SNSの導入目的や成功の定義に「社内のコミュニケーションを活性化させる」「社内の情報共有を実現する」というのを挙げる人が非常に多いことだ。最近は本業でも顧客から社内SNSやイントラブログの導入の相談を受けることも多いが、こういった相手からもいきなり「社内のコミュニケーションを活性化させたい」と切り出されたりする。
 いや、これは決して間違ってはいない。間違ってはいないのだが、私達はこれにいつも違和感を覚えるのだ。

 その理由は、この「社内のコミュニケーションを活性化させる」という目的からは、結局どうなりたいのかの具体的なイメージが沸かないことにある。つまり「コミュニケーションの良い状態ってのがどんな状態なのか」が聞いているほうには良くわからないのだ。
 だからそういうときには、「社内のコミュニケーションが活性化されたら、何が嬉しいのですか?」という質問を投げかける。単なるイメージではなくもう一歩推し進めて具体的にどんな状態になっていたいのかをこちらから質問するようにしている。ここまで踏み込むと、相手もより具体的な導入後の姿を考えて答えてくれる。以下はそうやって過去に出てきた具体的な姿の例

(例)社内のコミュニケーションが良ければ、部や部門をまたがって一緒に仕事をすることが増えるはずだ。今はなぜか仕事というと自分と自分の周り3mにいる人たちとだけやるものになっているが、せっかく会社には沢山の社員がいるので、いろいろな部署の人達と一緒に仕事が出来るようになると良い。
(例)顧客からの問合せに対して担当部署がわからなくて電話やメールをたらい回しにしてしまう。これは日頃社内の他の人が何を担当して仕事をやっているかが判らないからだと思うので、社内のコミュニティで自分の仕事を紹介しあうようなコミュニケーションが活性化できるとたらい回しが減る。
(例)社内のコミュニケーションが活性化すれば、営業部門から顧客やマーケットの動向が発信されて社内に流通するようになる。そうなれば売りたい商品はあるのだが顧客ニーズが判らなくて、どうやって売り込めばよいのか判らなくて困っている商品開発部門のほうからも動けるようになる。
(例)社内のコミュニケーションが本当に良い会社になれば、日々のコミュニケーションの間で相互牽制がはたらくようになるのではないか。コンプライアンス違反が行わそうになった際に相互にチェックしたり、社内のコミュニティを見て役員が直ぐに兆候が気づくようになって、今話題の情報隠蔽なんて事件が防止できるのが、コミュニケーションの良い会社だ。

最近だと、
・社内のコミュニケーションが活性化して社員は会社のことは会社の中で議論をするようになる。そうなれば社員が帰宅後に2ちゃんねるなどで会社のことを書き込む事が減るので、情報漏えいリスクが下がり、悪口の書き込みなどによるブランド低下が防げるだろう。
というのもありらしい。

 こうやって具体的な姿を書き出して明確化すれば導入時の決裁も得やすくなる。最もここ最近は、イントラブログや社内SNSはキャズムを超えたようで、こうした具体的説明が無くても、隣の会社がやっているからうちも入れる的に導入するような会社も増えてはいるが・・。

 社内SNSの導入プロジェクトでは、いざ導入&利用開始となった後に参加者のベクトルが合わなくなって迷走を始めることも多い。こういったことを防いだり、迷い始めたプロジェクトメンバーに進路を合わせなおす為の説明をするには、例のような具体的な姿があったほうが良い。そもそも導入後に効果測定をするのであれば、そのKPI(測定指標)を決めるためにも最終形の姿は必要だ。

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吉川 日出行

吉川 日出行

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