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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

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例えば、つい先日買ったばかりのモノが壊れてしまった時。買ったお店におしかけても「メーカーに言って下さい」というばかりで取り合ってくれない。そんな場合、あなたはどうしますか?

ネットでメーカーのサイトを検索し、「お客様窓口」を調べる。

という方も多いはずです。この時点で「お客様窓口が見つからない」などという結果になることは少ないと思いますが、「電話窓口が休日対応していなかった」「オンライン受付したのにその後連絡がない」などということがあるでしょう。その場合、「ネットで愚痴をこぼす」「悪口を書いて発散する」という行動につながっていく――というのは、最近では当然(?)予想されることですよね。

そんな「ネット上での評判」というものに注意を払わなければならない、というのは今では当たり前のことですが、その方法について、こんな記事がありました:

SNS時代の評判管理、企業にとって大きな課題に (TechTarget ジャパン)

広大なネットの海を、一企業がくまなく監視することは不可能。そこで監視サービスなどといった手段がありますよ、という記事なのですが、こんな事例が紹介されています:

米新興企業のRatePointは監視方法に手を加え、問題ある相手を見えやすい場所に置いておこうと試みている。RatePointのクライアントは自社サイトでユーザーのレビューをホスティングできる。コメントはRatePointが収集し、本当の顧客が事実に基づいて書いたものなのかを確認し、同社のポータルに掲載する。ユーザーはクライアント企業のWebサイトのリンクを通してこれにアクセスする仕組みだ。

要は自分たちの分からないところで悪口を書かれるくらいなら、見える場所でどんどんやってくれ――ということですね。この発想、何も他社のサービスに頼らなくても、自社ですぐに始められることではないでしょうか。

自社サイトに掲示板を設け、そこに自由に意見や悪口を書いてもらう。書いてもらうだけでなく、社員に「会話」に参加させ、ある時は回答や謝罪を、またある時は反論をさせる――それをすべての人々に見える形で公開するわけです(もちろん「根拠のない誹謗中傷/プライバシー公開は削除する」程度の操作は納得してもらえるでしょうが)。そうすれば、「あそこに書けば反応してくれる」という評判が立って、不満のある人が「まずは公式サイトに行こう」という気になってくれるでしょう。またネット上を根拠のないウワサが飛び交っても、それをキャッチした誰かが「これって本当ですか?」と書き込んでくれるのではないでしょうか。それがウソであればその場で反論できますし、何より自社だけでは追えない情報が持ち込まれる可能性があるわけです。また誰でも「会話」に参加可能にしておけば、自社社員だけでなく自社の「ファン」が誹謗中傷に反論してくれる、ということも期待できるかもしれません。

と書くと、普通の反応は「わざわざ悪口を目に見えるところに置くなんてバカげてる」になるのですが……そもそも「悪口がネットに載ってはならない」「ネットに載ることを防がねばならない」という考え方の方が古いのでしょう。人間もそうですが、誰からも好かれる八方美人になるというのは無理なもの。であれば、影でヒソヒソ噂話をされるよりは、「あの人は批判に耳を傾けてくれる」「文句があるなら直接言ってみれば?」という態度で接してもらえるように努力した方がいいのかもしれません。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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