シロクマ日報:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) シロクマ日報

決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

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2007年11月8日 »

僕の TwitterRSS フィードがあります。「小林の行動を随時把握したい」という酔狂な人(上司を除く)がいたとして、このフィードを購読していたとしましょう。昼食の際、僕が新発売のお茶「綾鷹(あやたか)」を飲んで、「このお茶わりとイケるかも」書き込みました。すると Twitter のフィードには「綾鷹」を宣伝する広告が自動挿入され、それを読んだ友人(僕のフィードを購読している人)は「お、アイツが美味いって言ってるなら、ちょっと見てみるか」と感じ、広告をクリックする……

というのは空想に過ぎませんが、そんな光景を生み出すことが Facebook の狙いなのかもしれません:

Facebook、新しい広告システム「Facebook Ads」立ち上げ (ITmedia News)
Facebookと企業のサイトを結ぶ「Facebook Beacon」登場 (ITmedia News)

Facebook が発表した新しい広告システム「Facebook Ads」について。兼ねてから噂のあったものですが、なかなか面白そうですね。特に、

ユーザーが、あるブランドページでレビューを投稿したり、商品を購入したり、そのブランドの「ファン」になるなどのアクティビティを行うと、「News Feed」や「Mini Feed」を通じてネットワーク内の友人たちにも共有される仕組み。企業は、送信される情報に広告を組み合わせることも可能。

という部分に興味を惹かれました。冒頭の例は「News Feed」(Facebook 特有の機能、友人に自分が行った行動をフィード化して配信することができる)を Twitter の RSS フィードに置き換えて考えてみたもので、実際には(現時点では)このような仕組みはありません。

この仕組み、友人の行動に応じて広告が配信されるという意味で、「友人連動型広告」と勝手に名づけてしまいました。「検索連動型広告」が自分が探しているモノに関連する広告を表示するのに対し、「友人連動型広告」はあくまでも友人の行動の結果ですから、広告を見せたいユーザーが望んでいるものかどうかは分かりません。しかし「友人連動型~」には、「友人=信頼できる人間が使っている/興味を持っているモノ」という点で、従来型の広告にはない「信頼感」という付加価値があります。また現実の世界で「今日着てる服いいね。どこで買ったの?」などという会話が普通に行われていることを考えれば、想像以上に「友人の行動」は広告媒体として魅力的なのではないでしょうか。

もちろん、「ライフログ的な行動記録を公開する人がどれだけいるのか」「他人の行動記録に興味を持つ人がどれだけいるのか」という懸念点はあるでしょう。しかし SNS や、Twitter に代表されるミニブログのブーム、また日本における「プロフ」の流行などを考えると、「他人に自分を知らせる」「他人を知る」という行動は異常なものではないはずです。Facebook Ads に似たシステムを構築しようとする企業が、他にも出てくるのではないかと想像しています。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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