シロクマ日報:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) シロクマ日報

決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

« 2006年12月13日

2006年12月14日の投稿

2006年12月15日 »

上司: ちょっと君、昨日作ってくれた資料だけど、間違いがあったよ。

部下: 本当ですか?チェックリストに載っている項目、すべて確認したんですけど・・・。

上司: チェック項目じゃないけど、「1,000」が「10,00」と入力されていたんだよ。

部下: えー?それなら「桁区切りに注意」ってチェック項目を入れておいてくれれば良かったじゃないですか!

上司: ・・・。

こんな会話を聞いたとしたら、あなたは上司と部下、どちらが悪いと思いますか?「桁区切りに注意」というチェックをリストに明記しなかった上司でしょうか、それとも基本的な常識が欠けている部下でしょうか?

上記の例はさすがに極端すぎると思いますが、同じようなケースを経験されている方は多いのではないでしょうか。ここで問題なのは、チェックリストがあたかも免罪符のように扱われていることです。仮に上司が「悪かった。じゃあチェックリストに追加しておくから、次回から気をつけておいてくれ」と対応してしまったら、部下はますます「チェックリストを見ていれば怒られない」と考えてしまうことでしょう。

コンピュータのような脳を持っている人間であれば、「チェックリスト=免罪符」でも良いでしょう。気をつけて欲しいことを全て網羅したリスト(1,000や2,000ぐらいの項目数になるかもしれません)を作り、それを厳守させればよいからです。しかしそんなリストを隅から隅まで注意できる人などいませんから、通常はリストの長さとチェックが漏れる確率は正比例します。だからこそ、チェックリストはできるだけ短くなければなりません。従ってそれは「掲載されていない項目はチェックしなくて良い」という免罪符ではなく、「チェック項目は絶対に漏れてはならないため、最優先でチェックするが、それ以外の項目も時間が許す限り確認して、成果物の品質を高める」という優先順位のリストとして扱われなければならないのです。

ただし上記の例でも、仮に桁区切りが非常に重要な項目で、かつ作業者が超初心者(桁区切りの場所も分からないほど!)だったとしたら、そこでミスが起きないようなチェックリストを作るべきだったでしょう。またあらゆる資料の常として、文字となった知識が固定化し、古くなってもなかなか更新されないという危険性もあります。チェック体制は一度作って終わりではなく、常に見直しとフィードバックを繰り返して、現状に即したものになっていなければなりません。

そう考えてみると、チェックリストや「○○するための○ヶ条」といったものは非常に便利なものである反面、危険性を潜めたものなのかもしれませんね。ミスを放免・助長するような免罪符となるか、決定的なミスを防ぐための盾となるか。諸刃の刃なのかもしれません。

アキヒト

« 2006年12月13日

2006年12月14日の投稿

2006年12月15日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
akihito
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ