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最近なぜか、古生物学に興味を惹かれています。きっかけはNHKスペシャルで放送された「恐竜 vs ほ乳類 1億5千万年の戦い」。この内容を収めた同名の単行本を買ってきて読んだのですが、古代のロマン(?)にすっかり心を奪われてしまいました。さらに深く知りたくなり、今度は『人体 失敗の進化史』という新書本を読んでいます。

この2冊の本、「デザイン」「設計」と表現は違えど、いかにほ乳類(『人体~』の方では特に人間)が体の構造を作り上げてきたかを解説しています。例えば恐竜の時代、昼間の世界は恐竜が占拠していたため、ほ乳類は生き残るために夜の世界へと進出を試みた->それが今日、ほ乳類の恒温性や夜行性として残っている、という具合。私たちが有している多くの特徴が、過去の環境に適応するために体のデザイン・設計を繰り返してきた結果なのだということが分かります。

中でも面白いのは、前適応という現象。専門的な定義はリンク先の Wikipedia を参照していただくとして、ここでは「ある用途のためにデザインされた体の部位が、別の目的のために使用されること」を示す言葉だとお考え下さい。例えば、鳥の羽根は空を飛ぶためにデザインされたのではなく、もともとは体温を維持するためにデザインされたものだそうです。それがたまたま空を飛ぶことにも利用された・・・というのが「前適応」。こんな再利用の例が、進化の歴史の中で様々なところに見られます。

そこでふと思ったのですが、この「前適応」、企業戦略における「経営資源の活用」に通じる話ではないでしょうか。企業内でも、「本当はここで使うためのヒト・モノじゃないんだけど、こういう使い道の方が活かせそうだ・・・」という工夫は日々行われているはずです。そういった「いま持っているもの」を有効活用することが、生存競争を生き残り、進化を続けることに欠かせないという点も「前適応」と「経営資源の活用」に共通する部分でしょう。

とはいえ、企業と生物は異なります。時には「突然変異」を起こして、まったく新しい仕組みを試したいという欲望が生まれる場合も多いのではないでしょうか。羽根の例で言えば「熱気球のような宙に浮く空気袋を作り出してもいいんじゃないか?」といったところです。それでも結果的には同じこと(空という未開の地に飛び出す)ですが、ちゃんと空を飛べる気球を体から生やすことは容易ではありません。もたもたしている間に力尽きて絶滅してしまったり、羽根で空を目指した動物(=持てる資源を有効活用した動物)に先を越されてしまう可能性もあります。突然変異が必ず失敗するとは言いませんが、前適応の方がリスクの少ない戦略だと思います。

などと古生物学と企業戦略を重ね合わせながら読んでしまったのですが、そんな邪道な読み方をしなくても、生物の進化が実に効率よく行われていることには驚かされます。もちろん成功した生物(=今日まで進化を続けている生物)の背後には、無数の失敗した生物(=絶滅してしまった生物)もいるわけですが、生物が環境に応じて自身の持つ資源を活用しようとする姿勢には、学ぶべきところが多いのではないでしょうか。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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