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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

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電車の発着する場所である「駅」。従って駅の位置付けは「移動するために使う場所」ですが、果たしてそれがすべてなのでしょうか?改めて駅というものを見つめ直すことによって、その空間に新たな可能性が生まれてくるのではないでしょうか。

位置付けを変えることで成功したのは、最近「駅ナカ」と呼ばれて注目されている駅構内の商業施設です。これは皆さんよくご存知でしょうから、説明の必要はないかと思いますが、駅を通り過ぎる場所から楽しむ場所に変える試みですよね。例えばJR品川駅構内にある「ecute 品川」などは、ほとんどデパートと呼んでもいいほど充実した施設となっています。実際、わざわざ入場券を購入して来店する人も多く、入場券の販売枚数は開業前の2倍に跳ね上がっているのだとか(日経産業新聞 2006年10月17日 第22面「隠れた資産 活用 -- 鉄道2社の流通戦略」より)。

一方、位置付けをガラッと変えるのではなく、これまで気づかれていなかった側面に注目することでも新しい発想が可能ではないでしょうか。例えば昨日の ITmedia で、こんなユニークな事業が紹介されていました:

Suicaを使った新サービス「えきあど」を試してきました (ITmedia ビジネスモバイル)

JR東日本とJR東日本キヨスクが開始した新サービス「えきあど」について。テレビ東京のワールド・ビジネス・サテライトでも紹介されていたので、ご覧になった方も多いでしょう。会員制の私書箱サービスなのですが、ユニークなのは駅構内に設置されている点。住所は東京駅構内となり、午前4時半から深夜0時半まで利用可能とのこと。1つのアドレスを3人で共有することができるので、仲間内での荷物の受け渡しにも使えます。

この「えきあど」を発想した経緯を、事務局の東山氏はこう語っています:

「一人暮らしで、宅配便の受け取りが大変だといつも思っていました。不在通知の紙がどんどんたまってしまうんです。最近は夜10時くらいまで再配達してもらえますが、私、飲み会が好きなんですよね。飲んで帰ると受け取れない、だけど宅配便のために飲み会を断るのも……(笑)。それで、便利な方法はないかなと考えたのが“えきあど”なんです」(東山氏)

 そのころ、私設私書箱の存在を知った。私書箱がもっと便利な場所にあったらいいのに――駅員だった東山氏が、便利な場所として“駅”を思いついたのはごく自然な成り行きだった。

つまり荷物の受け取りに便利な場所として「駅」を思いついたということですね。確かに通勤・通学で使う駅は、1日に2回、必ず通過する場所です(休みの日は最初から自宅で受け取ればいいわけで)。言うなれば「えきあど」は、駅を「毎日の生活で必ず立ち寄る場所」と位置付けたことによって、発想が可能になったサービスなのではないでしょうか。

2つの事例は、自社の持つ「場所」がどんな存在か・どんな存在にしたいか、多方面から考えてみることの重要性を示していると思います。例えば駅であれば、上記以外にも「雨宿りができる場所」「朝早くから夜遅くまで開いている場所」「(地上駅であれば)通路から遠くが見渡せる場所」など、様々な側面があるでしょう。またそれは駅だけに限った話ではなく、店舗や乗り物、WEBサイトにも通じる話だと思います。普段なにげなく通過している場所に隠された価値がないか、通勤・通学の時に考えてみても面白いかもしれません。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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