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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

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昨日の晩、いつものように「ワールド・ビジネス・サテライト」をボーッと見ていたら、ちょっと気になることが。カネボウが発売したヘアケア用品の新ブランド「いち髪」の販促戦略で、「エレベーター内に設置された液晶モニターでCMを流す」という手法が紹介されていました。この中で、なぜターゲットとなる若い女性に多く接する場所ではなく、男性会社員の多いオフィスビルのエレベーターという場所を選んだのかという問いに対し、カネボウの担当者の方が:

「男性の皆さまに知っていただき、家に帰って奥様・お嬢様に『こんなシャンプーが発売されたらしいよ』とお話ししていただければ・・・」
(※うろ覚えで、一字一句同じセリフではありませんのでご容赦下さい。)

と説明していました。この言葉に対してウチの奥さんが一言:

「お父さんや旦那さんに薦められたシャンプーなんて使うわけないじゃない。」

・・・悲しいですが、確かにその通りかもしれません。化粧品やヘアケア製品は個人の好みや体質、相性、イメージというものが複雑に絡み合って選ばれるものです(と、奥さんが申しておりました)。ふだんから奥さんや娘さんがどんな化粧品を使っているか、どんなシャンプーで髪を洗っているか話題にしているお父さんならいざ知らず、突然「会社のエレベーターで見たんだけどさ、カネボウの『いち髪』っていいらしいよ」なんて話しかけた日には、良くて無視・最悪の場合は浮気を疑われるでしょう。

最近はクチコミの効果が盛んに喧伝されています。カネボウの担当者の方も、まさに「クチコミ」という言葉を使って、エレベーター内広告の期待効果を説明していました。しかし「誰から誰へクチコミされるか」という視点が欠けてしまうと、上記のようにチグハグな内容になってしまうわけです。以前『姫様商売』という本を読んだのですが、若い女性に対するクチコミ・マーケティングとして、「誰彼かわまずクチコミしてもらうのではなく、女性グループの中で影響力のある人物だけに情報発信してもらうようにする」という戦略が解説されていました。こちらは「誰から誰へのクチコミか」という視点を重視している例ですね(それが成功するかどうかは、また別の問題ですが)。

これから消費者の書くブログ/SNSなどを通じて、クチコミで安価に宣伝を行おうという企業がますます増えることでしょう。しかしブロガーがどんな人物で、どんな人物に対してクチコミを行うのか、それがどんな効果を持つのかまで把握しなければ、狙ったのとは逆の効果(お父さんが薦めるシャンプーなんて気持ち悪い!)が起きてしまうかもしれません。しかしカネボウという大企業ですら、「?」と感じさせるような手法を採用してしまうところを見ると、実は以外に把握するのが難しいポイントなのかもしれませんね。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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