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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

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インターネットが普及し、いまやありとあらゆる企業がホームページを持つ時代となりました。スーパーや書店はもとより、病院や霊園、宗教法人までもがWEBサイトを運営しています。もはやサイトがあるというだけでは差別化になりませんから、企業側も新しさを打ち出すためにあの手この手を考えています。

そんな中で、先日こんなユニークなサイトに関するニュースがありました:

■ 旅行サイト 米ESPN スポーツファン向け開設(日経産業新聞2006年3月31日第4面)

アメリカのスポーツ専門チャンネルESPNが旅行サイト大手のOrbitzと協力し、ESPNのWEBサイト内にスポーツファン対象の旅行予約コーナーを開設したとのこと。ちなみにリンクはこちら:

ESPN Sports Travel powered by Orbitz

全米各地で開催されるスポーツの試合スケジュール、開催地の観光情報などを確認した上で、航空券やホテルの予約ができるようになっています(試合チケットの購入も可能)。検索はスポーツの競技名(NFL、NBA、MLBなど30種類以上)から行えるほか、都市を指定してその町の地元チームの試合スケジュールを一覧することも可能。またESPNマガジンの記者によるスポーツ関連旅行記事や全米の推奨ゴルフコース紹介など、旅行とスポーツに関連した読み物も掲載しており、スポーツファンからのアクセスを集める工夫がされています。

言われてみると、「コロンブスの卵」的というか、確かに便利そうなサイトです。日本だったらさしずめ、スポーツナビHISぴあを組み合わせたサイト、といったイメージになるでしょうか。今まで同様のサービスが無かったのが不思議なくらいです。

企業はえてして、現在の業務に特化しがちです。そのこと自体は悪いことではありません。スポーツ情報サイトならスポーツ情報の配信に力を入れ、旅行予約サイトなら予約できる移動手段・宿泊施設の数を増やし、インターフェースを工夫する。それによって競争に勝つのは当然のことです。しかし、あまりにもそこばかりに力を入れすぎると、他に実現すべきものが目に入らなくなってしまうのではないでしょうか。いわゆる「近視眼的思考(myopia)」です。

自社で提供しているサービスだけを見つめるのではなく、少し離れた位置からそれを見てみること。言い換えれば、あるサービスを利用し終わったときに、ユーザーがどんな行動を取るのかを考えること--それが新しいサービスを生み出す1つの道だと思います。ESPNの例で言うと、「ワールドカップ直前情報を読み終わった読者が、次にしようと思うことは何か?」と考えてみれば、「ワールドカップのチケットを取り、航空券とホテルを予約することだ、だからチケット/宿泊施設予約機能を付けよう」いう発想が出てくるのは難しくないでしょう(じゃあお前にできたのか、と言われると苦しいですが)。

この考え方を発展させれば、他にも「読者はこの試合を見逃したくないに違いない、それじゃ『この試合のTV放映スケジュールを検索する』ボタンを付けよう」とか、「『試合が近くなったら登録してあるメールアドレスにリマインダーメールを送信する』ボタンを付けよう」などといったアイデアにつなげることができると思います。自社で提供しているWEBサービスに、どんな新しいボタンが追加できるか?そんな発想で考えてみても面白いかもしれません。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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