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「経営資源の活用」は企業にとって何よりも重要なことの1つですが、今朝の日経産業新聞にこんな例がありました:

■ 消えゆくニッポンの金属鉱山(中)金産出最大、最後の鉱山「菱刈」住友鉱山(日経産業新聞2006年3月31日)

鹿児島県にある菱刈鉱山についての記事。日本最大の金産出量を誇る鉱山で、札幌にある豊羽鉱山が3月31日に閉山した後は、日本で唯一残る金属鉱山となるそうです。

この鉱山を管理する住友金属鉱山にとって、菱刈鉱山はまさに経営「資源」です。しかしそれは金を産出する場所という意味だけでなく、「技術者を鍛える」という別の経営資源(優秀な技術者)を産出する場所という意味も持っています。

日経産業新聞の記事によれば、住友金属鉱山は毎年のように菱刈鉱山に技術者を送り込み、4-5年学ばせてから自社の海外鉱山に派遣するそうです。技 術者はまず半年から1年、坑道で現場作業を学び、その後は効率的な採掘や坑道の設計といった操業計画の作成に携わり、一人前になっていくとのこと。また菱刈鉱山に関するWikipediaの記事によれば、「従来の鉱山では、鉱内鉄道・トロッコを使用していたものを、菱刈鉱山では、鉱内において自動車を使用するなど、異なる方法が取られている」そうですから、先進的な技術を確認する場でもあるのでしょう。日経の記事では、

住友鉱山は海外でも銅や金、ニッケルなどの新規鉱山探しに積極的。菱刈鉱山で鍛えた技術やノウハウが今後もますます重みを増すのは間違いない。

と指摘されています。ちなみにWikipediaによれば、「同鉱山からの副産物である温泉は、湯之尾温泉へ供給されている」とのことですから、こちらでも「経営資源の有効活用」が行われていると言えるかもしれません。

こういった住友金属鉱山の取り組みは、ソフトウェア/システム開発でも学ぶべきところがあるのではないでしょうか。もちろんソフトウェア/システム開発と鉱山開発を一緒くたに考えることはできません。しかし「プロジェクト=経営資源」と捉え、「限られた経営資源を有効活用する」という姿勢は、これらの現場でも必要なことだと思います。

プロジェクトという「鉱山」から金銭的なリターンを得ることに主眼が置かれ、技術者を育てるといった副次的な効果がないがしろにされるケースは数多くあるでしょう。「プロジェクトから金銭的リターンが得れれば十分ではないか、目に見えないリターンを得ようとしてリスクを高める必要はない」、という姿勢は間違いとは言い切れません。しかし「鉱山」が枯渇した時のことを考え、次の鉱山が開発しやすくなるような技術やノウハウを手にいれようと努力する企業こそ、これから生き残っていく企業だと思います。

ちなみに日経産業新聞の記事は、こう締められています:

資源の安定確保が世界で重みを増すなか、鉱山にかかわる技術継承や研究開発の「百年の計」が日本に求められている。

「資源」を「IT資源」に、「鉱山」を「プロジェクト管理」に置き換えてもしっくりくる言葉ではないでしょうか。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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