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起業を成功させる7つのメンタリティ(その7) ― 手放す勇気

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起業を成功させる7つのメンタリティについてお話しています。

起業する方にとって、ボクがビジネススキル以上に大切だと思っていることは

1:とりあえず食っていける安心感
2:お金のメンタリティ
3:メンターの存在
4:応援してくれる仲間との関係
5:前の仕事の「やりきった」感
6:「これならいける」という納得感
7:手放す勇気

の7つです。

前回は、「「これならいける」という納得感」についてお話しました。

今回は、最終回「手放す勇気」についてお話します。

これまで、6回に渡って起業を成功させるためのメンタリティについてお話していきましたが、最終的な決め手になるもの・・・それは、「手放す」勇気です。なぜなら、起業するためには、今の安定した環境から、一度離れる必要があるからです。

安定した環境から離れるのは、やっぱり怖いし、不安ですよね。どんなに優れた事業計画を立ててもそうだと思います。でも、勇気を出して踏み出さないと、新しい環境を手に入れることができません。

それはまるで、ビルの屋上から飛び降りるスタントマンのような心境かもしれません。スタントマンが飛び降りるとき、下にはエアークッションなどの緩衝材をおきますよね。だから、飛び降りても安全です。でも、初めてビルの屋上から飛び降りるときは、どんなに安全が保証されていたとしても、やっぱり怖いと思うんです。そのとき、一歩踏み出すか否かを決めるのは、私たち自身の「勇気」しかありません。

飛び降りる勇気、ある?

やっぱり、怖いよね。

それなら、どうする?

飛び降りても大丈夫なように、もっといろんな計画やシュミレーションをしてみるのもいいかもしれません。そう、緩衝材をもっと分厚くするイメージ。また、最初は、ビルの屋上ではなくて、2階とか3階とか、もう少し低いところからはじめてみるのもいいかもしれません。人のネットワークを作ったり、週末起業からはじめるような感じかな。そうして、少しずつ階を高くしていく方法もあると思います。

最近、社会は不安定だといわれていますよね。であるからこそ、多くの方が安定を求めるのだと思います。私は最近、「本当の安定ってなんだろう?」ということをよく考えます。

P・F・ドラッカーは、明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命という本の中で、次のように言っています。私が大好きな言葉を紹介します。

明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命

自ら未来をつくることにはリスクが伴う。しかしながら、自ら未来をつくろうとしないほうが、リスクは大きい。

これをお読みのあなたは、今、毎月安定した収入を手に出来ているかもしれません。ひょっとしたら、何らかの事情で岐路に立たされているかもしれません。安定している(ように見える)環境を手放すことは、ホント、勇気がいることですよね。

でもね、「安定」という言葉が持つ意味は、「何も起こらないこと」や「変化しないこと」だと思うんだけど、本当の安定とは、「どんな環境にいても対応すること、対応しようと試みること」「変化することが日常になっていること」だと私は思います。

本来、未来なんて不安定で、不確実なものなんです。現状を手放し、変化を恐れない勇気が、新しい未来を出現させるんだね。

な~んて、偉そうなことを言っているように聞こえるかもしれませんが、私自身、なかなか成果は出ないし、怖いし(特に、預金残高が次第に減っていくときは!)、手放せないことも多いです。それでも、自分ができることをやってみる中で(自分ができることしかできないし)、気持ちの面とか、お金の面とか、前よりも少しずつよくなっていくことに気づいたとき、変化していくこと自体が楽しいことに気がつきました。

本当の安定は、「ああすれば、こうなる」というような、手っ取り早く手に入るものではないかもしれません。でも、本当の安定を手に入れたとき、あなたにとって、一生、楽しく働ける仕事(ライフワーク)が手に入っていることでしょう。それは、今のような不安定な時代だからこそ、価値があることだと思います。

だから、自分のできることから、少しずつ、少しずつ、前に進んでいきましょう。あなたの勇気を、応援しています。私もがんばります。

さて、これまで「起業を成功させるメンタリティ」についてお話してきました。連載をしている間、「他にもこんな視点があるな」という項目もあったのですが、今回は、ここで一度終わりにしたいと思います。

実は、この連載の途中で「私も起業してビジネスをしたいと考えているのですが、竹内さんは、どのように起業してきたのですか?」という質問を何人からか受けました。その方によれば、「世の中には起業に関する情報がたくさんあるけれど、これからはじめる私にとってはどれもハードルが高い」というお話でした。たとえば、「情報発信が大事なのは分かっている。でも、何を書いたら分からない」というようなご意見でした。そうそう、起業するときは「頭では分かっちゃいるけど、実際にやろうと思うとできない、方法が分からない」ということが、よくあるんですよね。「そんなこと言ってないで、とりあえずはじめろ」みたいな意見もあるけど、「それが出来れば苦労しない」・・・そんな押し問答も、実際にはあるものです。

今回の連載以外に何か知りたいがありましたら、コメント等でお知らせください。私の考えをお知らせしたいと思います。

すべての人には、あらゆる可能性と、役割と、使命があるんではないかと、私は思います(なんか、大げさだけど(笑))。あなたには、それを開花させる責任があるのですよ。もう一人のあなたが「早く、この可能性に気付いてくれ!」と待ちわびているんです。

あなたの可能性を開く選択の一つとして起業を選択されたとき、ビジネススキル以外にも、大切なことがあることを知っておいてください。何か、行き詰ったとき、今回の連載が、何らかのお役に立てば幸いです。

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