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地域再生のカギ「シゴトバカタログ」で見える上越のまちと企業の魅力

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こんにちは、竹内義晴です。

これをお読みのみなさんが、都市部にお住まいなのか、それとも、地方にお住まいなのかはわかりませんが、もし、みなさんが地方に住んでいたら「将来、この街はどうなっていくのかな?」と考えたことはありますか? また、地方がご出身でしたら、地元の未来を想像したとき「親や兄弟・姉妹が住んでいる地元は、この先どうなっていくのかな?」と、ふと思ったことがあるかもしれません。

ボクは、新潟の中山間地に住んでいるのですが、若い世代が街に出ていき、少子高齢化が進むなか「この先、この街はどうなっていくんだろう?」と、よく考えます。

街だけではありません。企業に対しても同様です。人口減少が進み、少子高齢化が進む中、今後、労働人口が減っていくのは数十年先にわたっての決定事項です。そんな中で、地域の企業はどうなってしまうのか?

このような課題感から、2022年の1月から、地域の中で同じ課題感を持っているみなさんと、毎月1回話し合ってきました。

上越エリアの企業が分かる「シゴトバカタログ」

その、話し合いに一緒に加わっていただいている、新潟県上越市にある株式会社桐朋さんが、このたびシゴトバカタログというサイトをリリースしました。シゴトバカタログとは、その名の通り、新潟県上越エリア(上越市・妙高市・糸魚川市&周辺エリア)の「オンライン企業名鑑」です。

シゴトバカタログによれば......

働く大人自身だって、他社や他業種のことはよく知らない。暮らすジモトのことでさえ。

身近なシゴトバ(お店・企業etc.)の基礎情報・理念、そのシゴトバの中の様子や働く人たちなど、写真や動画を交えて詳しくご紹介します! 求職中の方にお役立ていただけるのはもちろん、子ども達が地域社会のおもしろさに出会えるような、みんなでつくるWebサイトを目指します!

出典:ようこそ「シゴトバカタログbyあどば」へ!

これまでも、企業名鑑のようなサイトはあったのではないかなぁと思っています。ただ、一般的な企業名鑑は、事業内容や会社情報は書かれていても、「企業の人となり」みたいなものが見えるものは少なかったのかもしれません。

ここでいう「企業の人となり」というのは、「あぁ、この会社はいい会社なんだなぁ」「わぁ、すごい。この会社はこんな製品を作っているのか」「こんなステキな取り組みをしているんだ」といった、企業の理想や取り組み、ワクワク感が分かる情報です。

「企業を見える化」することで、企業と人をつなぐ

ではなぜ、「企業の人となり」が分かる情報が必要なのか? その理由を一言で言えば、地域内外の人が地域の企業を知ろうとしたとき「その地域にどんな企業があるのか」が、分かる必要があるから。

たとえば、進学や就職などによって地域外に出た若い世代がUターンを考え始めた時、もっとも大きな課題の1つが「仕事」です。そこで、仕事探しを始めますが、地域の企業を知ろうとしたら、探すのはハローワークか、大手の求人サイトか? といった行動になるでしょう。地域の詳細な情報までは、たどり着くことができません。

また、現在の求人情報は求人情報で、課題があります。「給与はいくら」といった条件の情報は分かっても、「企業の人となり」までは分かりません。でも、いざ働くとなったら、重要なのって「労働条件だけ」ではありませんよね。

今後必要になる「労働のシェア」をスムーズにしたい

また、人がどんどん減っていく中で、ボクは今後「労働のシェア」みたいなものが必要になるのではないかと思っています。ここでいう「労働のシェア」とは、複業のような形で、地域内外の企業と関わる働き方です。

いまも、地方では人材不足が課題になっていますが、人口減少が進み、若い世代が街の外に出て行ってしまう現状においては、地域の中だけで人材をさがそうと思っても、今後、ますます難しくなる日がくるはず。

その課題を解決するために、今後、他地域に住んでいる方々が、複業のような形で地域の企業に関わることが必要になる日が、きっと来るはず。そう思って、数年前からそんな発信をしてきました。

こういった仕組みを実現するためには、地域の企業と複業人材のマッチングが必要ですが、今回リリースしたシゴトバカタログは、上越エリアの「企業の人となり」が分かるようになっています。

人口が減る今後は、必ず必要になる仕組み

ボクは2017年にサイボウズで複業をはじめました。そのときから地域複業に関心を持っていて、サイボウズで働き始めた比較的早い段階から「もしも、ボクの逆──つまり、地方の企業に、都市部の人が複業できたら、地域の企業にとっても、地方に関心がある都市部の人にとってもいいのではないか?」と思ってきました。

でも、2017年当時は、ただの妄想でしかありませんでした。

いまは、地域の中でこうした課題感を共有できるみなさんと毎月お話できることに、とても感謝しています。

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また、シゴトバカタログは「企業を見える化したサイト」ですが、マッチングには、「複業人材の見える化」も必要だと思っており、サイボウズの中では、そんな取り組みもはじめています。

人口が急激に減っていく今後は、人の奪い合いではなく「労働のシェア」が必要になります。現状はまだ課題も多く、難しさを感じることもありますが、こうした仕組みは近い将来、必ず必要になると思っているので、これからも少しずつ取り組んでいきたいです。

なお、シゴトバカタログは上越エリアの掲載企業を募集しています。くわしくはこちら

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