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「ワーケーションは市にとってどんなメリットがあるのか?」「ワーケーションを行う意味は何か?」を考えてみた

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こんにちは。竹内義晴です。

3/26~28にかけて、妙高市グリーン・ツーリズム推進協議会が主催の親子ワーケーションを開催していました。

親子ワーケーションは今回で3回目です。今回のテーマの1つに、子どもたちの雪遊びがあったのですが、今年は雪解けが早く心配していました。幸いなことに雪遊びもでき、かつ、天候にも恵まれました。親御さんたちは子どもたちと離れて、仕事に集中するとともにリラックスされていたようです。関係者のみなさま、ありがとうございました。3日間を無事終えることができました。

詳細のレポートについては、妙高ワーケーションのホームページで掲載したいと思いますが、今日は「そもそも、何のためにやっているのか?」についてお話をしてみたいと思います。

なお、ここに記すのは、あくまでもボクの立場のものであり、それぞれの方には、それぞれの考えがあっていいと思っています。

参加者からの「そもそも何のために?」の問い

2日目の夜、参加された親御さんたちと交流会を開きました。その時に、「ワーケーションは妙高市にとってどんなメリットがあるのか?」「ワーケーションを行う意味は何か?」という質問がありました。

核心をついたこの問いには、個人的に結構ささるものがあり、しばらく考えました。

親子ワーケーションには、いろんな意味付けできると思うんですよね。たとえば、「子どもたちに普段味わうことができない非日常体験をさせてあげたい」とか、「普段、在宅勤務で大変な親御さんに、リラックスしながら仕事ができる環境を提供したい」とか。

もちろん、そういった目的も無きにしも非ずなのですが、こういった取り組みをする個人的な動機の背景には「何もしなければ衰退していく地域を、どうにかしないとな」といった課題感があって。

もっとも、それを、親子ワーケーションの文脈で伝えてもあまり伝わらないので、この動機を直接的に伝えることはないのですが、個人的な根底には「地域をどうにかしないとな」といった課題感、あるいは危機感があります。

妙高市にどんなメリットがあるのか?

「妙高市にとってどんなメリットがあるのか」については、どんなメリットがあるんでしょうね。ワーケーションの目的では、よく「関係人口」などといったりしますが、個人的には、「関係人口を増やしたい」とは、あまり思っていなくて。

というのも、関係性って「増やそうとして増えるものなのかな?」「人と人との営みの中で生まれるものなんじゃないかな?」と思っているところがあって。

あと、関係人口って、地域づくり界隈ではなんとなく流行り言葉になっていると思うんですけど、こういった流行り言葉は、気をつけて使わないと、なんとなく「それっぽい感じ」みたいに聞こえることが多いので、あまり使わないようにしている......みたいなこともあるかもしれません。

それよりも、「好きになってくれる人が増えたらいいな」とは、思っているかな。また、「〇〇さんが困っているなら、応援しよう」とか、「〇〇の地域に課題があるなら、協力しよう」みたいな関係が構築できたらいいな、とは思っています。

あとボク、行政区というのは、人の集団を便宜上「〇〇市」のように呼んでいるだけで、実体としての「〇〇市」はないというか、「〇〇市さんはいない」と思っているんですよね。実体として存在するのは「人」なんじゃないかな、と。

そういう意味で、シンボルである妙高市にとってのメリットというよりは、「好きになってくれる人が増えたらいいな」とか、「困っているときに助けあえるといいな」みたいな、人と人との営みのきっかけ、出会いのきっかけ、ご縁のきっかけになるといいなと思っています。

もちろん、慈善事業だと継続できないので、収益を確保したうえで、です。

あとは......そうですね。ワーケーションの目的の1つに、移住などを上げる方もいるかもしれませんが、ボクは、移住というのは、その地域や人を好きになった結果論だと思っており、最初から、それを目的にはあまり考えていません。そもそも、移住って、そんなに簡単じゃないじゃないと思っているので。

ワーケーションを行う意味は何か?

「ワーケーションを行う意味は何か?」について、個人的には、「ワーケーション」という言葉や、「コト」自体には、それほど、強い関心がある、というわけではありません。

一方で、「仕事を通じて、行き来できる仕組み」は作れるといいなぁと思っています。

そういう意味では、ボクにとってのワーケーションは、「仕事を通じて、行き来できる仕組み」をわかりやすく伝えるための、1つのアイコンなのでしょうね。

地方に住む一住民として思うのですが、人口減少をはじめ、地域の中には課題がたくさんあるなぁと思っています。それは、「10年後、どうなっちゃうんだろう?」「本当に、このままでいいのだろうか?」と感じるぐらい、リアルな課題です。しかもそれは「〇〇をすれば解決できる」というほど簡単なものではありません。少なくとも、ボクはそう感じている。感じてしまっているこの気持ちを、そのままにしておけない。

ワーケーションに取り組むことで、地域の課題がすべて解決するなんてまったく思わないし、何も変わらないかもしれない。

それでも、何か、行動するきっかけの1つとして、ワーケーションというアイコンがあるなら、それは悪いことだとは思わないし、何かしら、やってみる価値はあるかもしれない。ボクにとってワーケーションを行う意味は、そんな風に捉えているかな。

で、さきほど挙げた「好きになってくれる人が増えたらいいな」とは、思っているかな。また、「〇〇さんが困っているなら、応援しよう」とか、「〇〇の地域に課題があるなら、協力しよう」みたいな関係って、「わたしたちが取り組みたいこと」をやること以上に、「相手が困っていること」や、「相手が望んでいること」をやることによって生まれるのでは? と思っていて。その結果が、今回の場合だったら「親子ワーケーションだった......」という感じです。

というわけで、ワーケーションの「そもそも、何のためにやっているのか?」について考えてみました。ゆるゆると書いたので、伝わるか、伝わらないかは分からないけれど、なんとなく伝われば本望です。目の前の課題を、楽しく解決できたらいいなぁと思っています。

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