トランプのドンロー主義はまさに地経学。ベネズエラ原油がAIデータセンター電力になる流れはPalantirのAI Gothamが助言している
「地経学」で現在起こっている世界情勢の激変を読み解くことができる...。そういう示唆を、テレ東のモーニングプラスFT、桜井薫氏によるFTコラムニスト ジリアン・テット氏(ケンブリッジ大学キングズカレッジ学長を兼務)へのインタビューを見ていて思いました。(2026/1/6付放送分)
地経学のイロハについていつものようにChatGPT 5.2で把握した後、今年早々始まったトランプ大統領の軍事行動によるベネズエラ大統領捕縛、それに続くベネズエラ原油権益の米国政府及び米国石油大手によるコントロールは、最新の地経学的な説明により解明できるのではないかと考え、以下の回答を得ました。
ご指摘の一連(①マドゥロ氏の「捕縛」=斬首型の軍事作戦、②海上拿捕・禁輸を組み合わせた原油フローの遮断、③原油販売と収益口座を米国側が「監督」する設計)は、米国側の言い分をそのまま地経学の言葉に翻訳すると、概ね 「資源(石油)を"戦略物資"として再定義し、国家主権の中核(資源レントと輸出ルート)を、軍事+法金融(制裁・拿捕・口座管理)で掌握する"強制型ジオエコノミクス"」 です。実際、米政府が「ベネズエラの石油販売を長期にわたり管理する」「収益を米国管理口座へ」といった趣旨を語っている点が、この構造をはっきり示します。
1) 地経学的に何が起きているか:3つのレイヤー
レイヤーA:軍事行動は"目的"ではなく、地経学アーキテクチャの「起動スイッチ」
捕縛は単発の軍事イベントというより、その後に続く 港湾・タンカー・決済・収益分配 を再設計するための「入口」です。APは、米国が油の流通を"承認されたチャネル"に限定し、世界最大級の確認埋蔵量をめぐる供給・価格への影響力まで意識している点を報じています。
レイヤーB:主権の中核を「輸出ルート」と「収益口座」に分解して掌握する
ここが典型的な地経学です。
輸出ルート支配:海上封鎖・拿捕・制裁で"出せない/買えない"状態を作る(タンカー拿捕の報道が継続)。
収益口座支配:売れたとしても収益は米側管理口座へ、配分も米政府裁量、という設計が報じられています。
つまり「領土占領」よりも、レント(資源収益)と物流・金融の"回路"を押さえるのが主戦場になっています。これはまさに War by Other Means 系の地経学が言う「経済手段で地政学目的を達成する」の、かなり強硬な変種です(今回は"軍事→経済回路掌握"の順)。
レイヤーC:狙いは「米国の利益」だけでなく「敵の利益を断つ(denial)」も中核
ワシントン・ポストは、ホワイトハウスの説明として「米国がアクセスし、敵対国に与えない」ことが狙いだと整理しています(中国・キューバ・イラン・ロシアへの"フットホールド"遮断)。
この"denial(拒否・遮断)"ロジックは、地経学の教科書的な発想です。資源そのものの獲得に加え、相手の地政学的な行動余地を、資源フロー遮断で削る。
先日上げたマドゥロ大統領捕縛の精密なピンポイント軍事作戦に関する以下の2本の投稿の知見も含めて分析すると...。
第一報:米軍がベネズエラ首都カラカスを深夜に急襲。AIでOSINTを行うとこれだけ詳細に背景情報がわかる(2026/1/3)
第二報:マドゥロ大統領が捕縛され米国に移送された作戦の全体像をAIがOSINTで緊急分析(2026/1/4)
誰が見ても「異様に早い展開」が起こっているのがわかります。
この「異様に」という部分がカギです。つまり、背後でAIが動いているのです。
私はここ1年ばかりAIを集中的に使ってこのブログの投稿や各セミナーの内容構成等を行ってきたので、こういった「異様に速くて」「異様に高度な」アウトプットの背後ではAIが動いているとすぐに体感的に察知します。人間のやっていることと、裏でAIが動いていることとは、天地の差ほどもあります。
先日、中国のレアアース禁輸に対して、間髪おかずトランプ政権が中国に対して100%関税で対抗した陰に、Palantirの国家機関用 組織スケール戦略提言AI(Gotham)が働いているという推察を投稿にして出しました。
Palantir(パランティア)オントロジーの凄まじい威力:中国レアアース禁輸発表の72時間後に米国が100%関税で完璧に報復できた理由(2025/11/26)
つまり、Palantir Gothamがトランプ大統領及びトランプ政権閣僚(国防長官含む)の意思決定に大々的に関与している。だから、「異様に速い」戦略と戦術の連続的な実施が可能になっている。
PalantirのAIに関する超需要な投稿:(これを読めばPalantirが米国政府、米国防総省に対して果たしている役割を理解できます。これを読んでないと、まず全く理解できないです。手前味噌で恐縮です。)
【決定版】米政府を根本から変えている--防衛IT最大手PalantirはAIで何をやっている会社なのか?
おそらく...と言うより、絶対にそうだと言い切ってよいです。これは、Palantirの組織スケールAIが何をやっているかをよく理解すれば、誰でも導き出せる答えです。しかし、毎日ガンガンAIを使っている人でないと、雲の上です。
毎日ガンガンAIを使っている人なら明瞭、理路整然と理解できるPalantirの国家意思決定支援AI、かつ軍事戦略意思決定支援AIであるPalantir Gotham。
個人的に、AIが軍事を変えるだけでなく、世界各国のパワーバランスも変えていく時代に入った...と真面目に考えています。
そして!さらに!このトランプ政権が強権によって奪取したベネズエラの原油が、エネルギーがいくらあっても足らない米国AIデータセンターの電力供給市場に新たな電力供給源として登場するのです。
関連投稿:
トランプ・ドンロー主義のキモは原油と天然資源をキーとした排他的安全保障。高市政権はどう対処する?(改題)
参考資料:
先日のNew York Timesの記事
Trump Lays Out a Vision of Power Restrained Only by 'My Own Morality'(2026/1/8)
の日本人ビジネスパーソン向けの要約。
記事要約(日本のビジネスパーソン向け)
■ 記事の核心(結論)
この記事が描いているのは、ドナルド・トランプ大統領が、
「自分の権力を制限するのは、国際法でも条約でもなく、"自分自身の道徳(my own morality)だけだ」
と、明確に言い切った点です。
これは単なる強気発言ではなく、
国際秩序・同盟・法の支配よりも、"国家の力と指導者の判断"を最上位に置く世界観の、これ以上ないほど露骨な表明です。
1. 国際法・条約は「拘束条件」ではない
トランプ氏はインタビューで、
国際法は必要ない
使うかどうかは「自分が決める」
定義も自分次第
と述べました。
つまり、
ルールが先にあるのではなく、
力を持つ国家(=米国)が、
ルールを"使うかどうか"を決めるという立場です。
【注釈①|日本人が理解しにくい点】
日本では
「国際法・条約=守るべき前提」
ですが、トランプ流では国際法=便利なツールの一つ
使わない選択も当然あり得るという発想です。
2. 「予測不能性」を外交・軍事の武器にする
トランプ氏は、自らを
いつ攻撃するかわからない
すぐ軍事行動を取る人物
として相手に認識させることを、意図的な戦略として使っています。
実際、ベネズエラ攻撃後に、
グスタボ・ペトロコロンビア大統領から、強い危機感を示す電話が入りました。これは、
攻撃しなくても、
攻撃する"気配"だけで相手を従わせる「強制外交(coercive diplomacy)」の典型です。
【注釈②】
日本の「対話重視・抑止重視」とは異なり、
トランプ流では恐怖そのものが交渉力
になります。
3. 同盟(NATO)より「国益」を優先
トランプ氏は、
NATOは米国抜きでは無力
グリーンランド獲得とNATO維持は「選択になるかもしれない」
と述べています。
これは、**NATO**を
「価値共同体」ではなく
コストとリターンで評価する存在と見ていることを意味します。【注釈③】
日本では
「同盟=信頼関係」
ですが、トランプ氏にとって同盟は投資案件(払った分の見返りがあるか)
です。
4. 「所有」への異様なこだわり(グリーンランド)
トランプ氏は、デンマーク領の
**グリーンランド**について、
基地使用や条約では足りない
**所有(ownership)**が必要
と語りました。
彼の論理では、
借りる・協定を結ぶ
→ 本当の支配ではない所有する
→ 心理的・戦略的に完全な支配です。
【注釈④】
これは国家戦略というより、
不動産ビジネス的な思考に近く、
日本人には特に理解しづらい部分です。
5. 中国・ロシアには「同じ論理を認めない」
興味深いのは、
米国は力を使ってよい
しかし
習近平
ウラジーミル・プーチン
が同じ論理を使うのは許されない
という、二重基準を全く隠していない点です。
台湾についても、
**台湾**を中国が攻撃しないのは、国際法があるからではなく
「自分(トランプ)が怖いから」だと語っています。
6. ベネズエラ作戦が生む「危険な前例」
トランプ氏は、
ベネズエラのマドゥロ政権打倒は正当
中国の台湾侵攻とは別
と主張しますが、
国際社会では「力で政権を倒してよい」という前例
として見られています。
【注釈⑤】
これは、日本にとって極めて重要です。
台湾有事
東アジア有事
で、同じ論理が逆向きに使われる可能性を含むからです。
7. 国内でも「法の制約」は相対的
トランプ氏は、
裁判所の判断を回避する代替策を検討
必要なら
州兵の連邦化
軍の国内展開(反乱法)
も辞さないと述べています。
つまり、
法は絶対的な制限ではなく、
迂回可能な障害物という認識です。
日本のビジネスパーソン向け総括
● この人物は「ルールで動く世界」を前提にしていない
トランプ氏の世界観では、
国際法
条約
同盟
規範
はすべて、**力を持つ者が使う"道具"**です。
● 日本企業・経営者にとっての現実的示唆
地政学リスクは"ルール無視"が前提になる
契約や合意だけでは守られない
サプライチェーンは「力の届く範囲」で再設計される
台湾・中南米・中東は特に不安定化
日米同盟は"自動防御"ではない
日本が「米国にとっての価値」を示し続ける必要がある
■ 一言でまとめると
この記事は、
**「トランプが危険だ」
ではなく
「世界が"力の論理"に戻った」ことを、日本に突きつけています。
日本のビジネスパーソンに求められるのは、
ルール前提の安心感を一度捨て、
"誰が力を持ち、何を欲しているか"で世界を見る視点です。必要であれば、
この世界観が日本企業の投資・M&A・サプライチェーン戦略にどう影響するかも、具体的に整理できます。