【ChatGPTで株式投資】これから「テンバガー」になる銘柄の条件をChatGPTに教えてもらうプロンプト
ショッピングセンターでテンバガーを探していたピーター・リンチ
伝説的なファンドマネジャーであるピーター・リンチは次のような伝説的な言葉を残しています。「テンバガー」(Ten bagger)という言葉は彼の造語なんだそうです。出典をGrokに調べさせた所、 "One Up on Wall Street"、邦題「ピーター・リンチの株で勝つ」だとわかりました。以下がその原文です。
"The best place to begin looking for the tenbagger is close to home--if not in your own house, then in your neighborhood shopping center or at work."
「テンバガー(株価が10倍になる銘柄)を探し始めるのに最適な場所は、身近なところだ。自宅の中でなくても、近所のショッピングセンターや職場から探すのがよい。」(ChatGPT訳)
テンバガーとは株価が10倍になる銘柄のことです。最近ではNVIDIA(エヌビディア)が話題になりました。以下の記事は大変に興味深いです。テンバガーになったNVIDIAに着目した経緯を記しています。
ザイ・オンライン
買い推奨したエヌビディア株がテンバガーに!日常生活の観察は株式投資に活かせる!エヌビディアを知ったのも日常生活の中でだった
たしか、ピーター・リンチが自分の娘のショッピングセンターでの行動から成長株を見つけ出したエピソードは、ひと昔前に広く読まれた「ピーター・リンチのすばらしき株式投資」の中にあったと記憶しています。
日本を代表するテンバガーには、ファーストリテイリング(ユニクロ)、ニトリ、ゼンショー(すき家)などがあります。これらは、業容が拡大し始めていた時期に注意深く観察していれば、ピーター・リンチが言っている「近所のショッピングセンター」で見つけることができたかも知れない銘柄です。
ChatGPTが教えたテンバガーの条件
ChatGPTは投資の先生になりうるAIです。これから書き始める本のために色々なプロンプトを開発している最中ですが(先日の投資の教科書の投稿もその成果の一つ)、ChatGPTはテンバガー銘柄を見つけるためのヒントをくれることもできるということが分かりました。以下のプロンプトを試して見てください。
過去にテンバガー(株価10倍)になった日本企業の共通点を分析して下さい。
なんと言うことのないシンプルなプロンプトですが、実に奥深い知識が得られます。
彼によると、テンバガーの条件は以下のようになります。前後ではしっかりと解説がなされています。
- 成長市場に属している(IT、DX、EV、半導体、バイオなど)
- 高収益体質で営業利益率が20%以上
- 創業者やカリスマ経営者がリーダー
- 時価総額1,000億円以下の小型株から成長
- 海外展開を進めている(グローバル市場の拡大)
ChatGPTでテンバガー候補を深掘りするのは知的な楽しみ
ChatGPTを使えば、現在東証で売られている日本株で、条件に合致した銘柄を割り出すことも不可能ではないです。5つの条件全てに合致したものを一発のプロンプトでスクリーニングすることは無理としても、条件1つずつをChatGPTに入れて、回答を吟味して、プロンプトをチューニングしていけば、個々の条件に合った銘柄複数を出させることは可能です。(プロンプトは自分でどんどんチューニングして行くことができます。むしろどんどんチューニングしていくべきです。その過程で色々な気づきがあります)
1つひとつのプロンプトの回答を吟味して総合すると、かなりの精度でテンバガー候補が割り出せると思います。
ただし注意しなければならないのは、ChatGPTに限らず、PerplexityでもGensparkでもGrokでも、「ハルシネーション」(勘違い)が起こることがあるということです。これはLLM(大規模言語モデル)の特性上仕方のないことです。従って、ハルシネーションはあり得ることと割り切って、Yahoo!ファイナンスなどの株式情報サイトで回答をチェックすることは不可欠です。
その手間暇はあっても、ゼロからGoogle検索でテンバガーを探すよりは、探索が効率化します。もちろんGoogleでもテンバガー候補を推奨している記事を見つけることはできますが、人様が推奨しているテンバガー候補よりは、自分でChatGPTを駆使して候補を絞り込んでいく方が、知的に楽しいです。