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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

トルコが世界最大規模のインフラプロジェクト「イスタンブール運河」の計画を発表

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トルコは国家レベルのインフラPPPプロジェクトではかなり長い歴史を持っており、もっとも古いものに1874年の地下鉄建設があります。これが実施されたのはオスマントルコの時代。国王がフランスの民間事業者に「特別な事業許可」(コンセッション)を与えて42年間営業されました。いわゆるBOT(Build, Operate, Transfer)であり、その後、地下鉄資産はトルコに譲渡されています。トルコは現在でも多数のインフラPPPプロジェクトを計画しており、新興国のなかではPPPにもっとも意欲的な国だと言ってよいでしょう。

そのトルコがついに巨大プロジェクトを発表しました。"Istanbul Canal"(イスタンブール運河)計画です

背景を簡単に確認します。世界有数の産油国であるロシアは黒海沿岸の港から原油をタンカーに積んで黒海を運び、トルコのイスタンブール市
に存するボスポラス海峡を経由してマルマラ海へ出、そこから欧州などに届けます。
ボスポラス海峡は非常に狭く、かつ舟運が混み合うそうで、世界でもっとも航海が難しい混雑ポイントとなっています。この海峡は水深もさほど深くないようで、通過できるタンカーは100万バレル搭載の"suezmaxes"と呼ばれるタイプ。石油輸送効率がよいとは言えない状況があるようです。

トルコが計画しているイスタンブール運河が黒海とマルマラ海を結び、ボスポラス海峡を使わずに済むようになると、"suezmaxes"の2倍の運搬能力を持つタンカーが通過できるのだそうです。そうした巨大タンカーを含め1日に160隻が運河を通過できます。

この運河は全長50km、水深25m。Bloombergの記事によれば総事業費100億ドルという数字が出ています(しかし世界最大規模とはいいながら、100億ドル規模は原子力発電所建設計画でもよく出てくる数字です)。

採算性という意味では、そうした巨大タンカーの通行料収入は比較的容易に予測できますから、プロジェクトファイナンスの返済原資となるキャッシュフローもすぐに推計でき、これに妥当な返済年限をかければ、実施できるプロジェクトなのかどうかはすぐわかるというところでしょう。記事によると、トルコ首相は、実現性についてはまったく問題にしていないようです。

この種の巨大インフラプロジェクトはエネルギー分野などでも今後出てくるかも知れません。

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