会社の「社会ネットワーク価値」を算出できるとしたら?
社会ネットワークとして把握できた人間の集まりは、比較的簡単な方法で「価値」を算出できるのではないかと考えています。
例えば個々のノードに関して、数値として得られる中心性と年収の積を求める…。それに近いような簡単な数式で価値が得られるのではないかと考えます。ただしその数式がどのようなものであるかを考えるのは、私の仕事ではありません。
澤田氏の情報によると、SNAの専門家Patti Anklamが間もなく刊行しようとしている"Net Work"という本では、Chapter 6あたりでどうもそのへんが述べられている可能性が高く、期待しています。例えば、個々のノードが持つリアルオプション価値なんかが考慮されていると、すごくおもしろそうです。
仮に社会ネットワークの価値がそれなりに算出できるようになると、例えば、特定のSNSが全体として持っている可処分所得のポテンシャルはどの程度か、あるいは、特定の企業が持っている知的生産性のポテンシャルがどの程度かといったことも把握できるようになるのではないか、とも考えます。
一個の企業の社会ネットワーク価値を算出できるとすれば、それは、既存の企業価値算出手法で得られた価値とはまた異なった値になるはずで、どちらがより真実を表しているか決着がつくまでは、ある種のアービトラージが可能になるかも知れません。DCF発想で算出した価値から得られた理論株価はxxx円だけれど、社会ネットワーク価値ベースで算出した企業価値から得られた理論株価はyyy円なので、サヤが抜ける!とかですね。儲けたい人は研究の価値がありますね。