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ロボットと人との共存

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産業機械や建設機械、産業用ロボットの需要は、近年の経済成長とともに着実に増加しています。

経済産業省は2024年6月7日、「経済産業政策新機軸部会第3次中間整理」を公表。今回はこの中間整理の中から、産業機械・ロボットに焦点をあててとりあげたいと思います。

産業機械・ロボット市場を取り巻く背景

産業機械・ロボット領域の成長の背景には、カーボンニュートラルへの移行や国内労働力不足を補うための省力化投資が進んでいることが挙げられます。

ロボット市場では、新規ユーザーや市場の拡大が進む中で、領域の分離が進み、データに基づく生産工程の最適化を行うツールとしての役割がますます重要になっています。

ロボットシステムの開発も加速し、AI技術やセンシング技術を持つベンダーやスタートアップとの協業が増加している状況です。

2040年を見据えると、産業機械や産業用ロボットの需要は、経済成長と共に引き続き増加が見込まれます。

一方、カーボンニュートラルへの移行に対応したGX機器のニーズが高まり、重電機器や建機の省エネ化が進む中、工場全体を最適化するためのデータに基づいた生産システムの最適化が求められています。

また、地政学的な緊張が続く中、各メーカーにおいてはサプライチェーンの脆弱性や潜在的なリスクを軽減する必要性が高まっています。そのため、高性能な工作機械や産業用ロボットにおいて、精度や品質に関わるコア部品や技術の国内サプライチェーンの強化が進み、適切な技術情報の共有が求められています。

競争軸が相対的に変化していく中で、産業機械・ロボットの提供価値に関しては、現場から収集されるデータに基づいた生産システムの最適化や工場全体の効率化のためのツールとしての役割が大きくなっています。

産業機械・ロボットの活用領域

日本国内では、人材不足に対応した圧倒的な省力化投資が進む中、横展開が容易で汎用的・拡張性を持つロボットシステムの開発が進展しています。

産業機械・ロボットによる省力化投資とともに、付加価値の源泉は、工場全体を一元的にシステムとして設計し、最適化することにシフトしつつあります。

具体的には、各機器の稼働データや動作データを効率的に収集し、歩留まりの向上や機器の予知保全、製品の迅速な検査やトレーサビリティの確保が求められます。また、製品の設計から製造、検査、出荷までのすべての工程の最適化・高度化を可能とするハイパフォーマンスDXの実現も期待されます。

ロボット市場における需要は爆発的に拡大する中で、ロボットSIer不足によるSI人材の獲得競争が激化し、SIコストを低減するためのロボットシステムやSI技術の開発が加速しています。

従来の競争軸である積層・度・質・安定性を後追いする領域に加えて、世界のあらゆる生産拠点において生産の早期化を目指し、熟練者でなくても操作が可能となるロボットシステムが求められるようになっています。

こうした市場の変化に対応するため、設計者の学習や使いやすさを重視した環境づくりが進められています。競争が激化する中で、現場から収集されるデータに基づいた生産システムの最適化や工場全体の効率化のためのツールとしての役割が大きくなっています。

サービスロボット市場においては、人口減少に伴う省力化需要や危険作業の代替需要から、飲食、小売、物流、介護、建設、農業などの第一次産業等にわたる産業において、さまざまな用途・機能のロボットが必要とされるようになっています。

これらの領域で用いられるロボットは、「人との共存」が実現されることが求めら、特に、自然言語を理解し、自律的かつ的確に判断・動作することで、人と一緒に作業を行ったり、サービスを提供したりすることが可能なAIロボットの実現が急務となっています。

今後の展望

産業機械・ロボット市場は、経済成長とともに需要が増加し、省力化やGX機器への対応、供給チェーンの強化など、多岐にわたる課題に対応することでさらなる成長が期待されています。

特に、データに基づく生産システムの最適化やロボットの高度な技術が求められる中、日本の産業はグローバルな競争力を持つための取り組みを加速させていくことが重要となっています。

また、AIや通信技術の進化によるロボットの遠隔操作や適用範囲の拡大が進んでおり、労働環境や作業の質が向上しています。日本の産業界は、グローバル市場において競争力を維持しながら、持続可能な経済成長を実現するための基盤を築いていくことが求められています。

こういった状況を背景に、今後も産業機械・ロボットの市場は進化を続け、「人との共存」により、新たな価値創造と経済成長を牽引する重要な取組となるでしょう。

課題先進国の日本であるからこそ、日本の産業界が持続的に発展し続けるために、各企業が積極的に新技術を取り入れ、グローバルな視点での経営戦略を展開していくことが求められています。

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