法人向けネットワークサービスの市場の競争環境
総務省は2024年5月1日、電気通信市場検証会議（第40回）を開催し、「令和５年度市場検証（中間報告）」を公表し、【電気通信事業分野における市場動向の分析を行っています。
今回はこの中から、法人向けサービス市場に焦点をあてて、拠点間ネットワークの市場の競争環境を取り上げていきたいと思います。
■利用しているネットワーク回線（拠点間通信）
拠点間通信ではインターネットVPNが４割を超えています。次いでIP-VPN、広域イーサネットと続いています
出典：総務省 電気通信市場検証会議（第40回） 2024.5
■利用しているパブリッククラウド（IaaS/PaaS）
パブリッククラウドを利用しているのは全体の67.9％で、 全体のうち45.9％がAWSを利用しています。次いでAzure、Google Cloudが続いています。
出典：総務省 電気通信市場検証会議（第40回） 2024.5
■クラウド移行に際してインターネットに切り替える理由や目的
クラウド移行に際して、「インターネットに切り替える」「併用する」回答者のうち、74.0％が「ネットワーク運用コストの削減」を理由として挙げています。
出典：総務省 電気通信市場検証会議（第40回） 2024.5
■WANを継続利用する理由や目的
「WANを継続利用する」と回答した利用者のうち、半数近くが「ネットワーク切り替えコスト」を理由に挙げています。次いで、「セキュリティの信頼性の高さ」「構成により想定されるコスト増大」が続いています。
出典：総務省 電気通信市場検証会議（第40回） 2024.5
■拠点間通信用途の利用ネットワーク回線別の調達パターン
拠点間通信用途での利用の多かった「インターネットVPN」「IP-VPN」「広域イーサネット」について、どれも「回線単独」「ソリューションとセット」はほぼ半数ずつで調達されています。
出典：総務省 電気通信市場検証会議（第40回） 2024.5
■ネットワーク回線の調達先事業者候補（拠点間通信）
拠点間通信用途におけるネットワーク回線の調達先事業者の候補は、「国内の電気通信事業者」が最も多く、「国内SIer」「親会社・グループ関連会社」と続く。
出典：総務省 電気通信市場検証会議（第40回） 2024.5
■調達先事業者候補（拠点間通信用途）
拠点間通信用途のネットワーク回線の調達先候補となるベンダーは、以下のいずれの回線および調達方法においてもNTTグループを中心とする国内の電気通信事業者が上位の結果となっています。ソリューションセットではSIerがやや目立ち、NEC、富士通、NTTデータなどが事業者として挙げられています。
出典：総務省 電気通信市場検証会議（第40回） 2024.5
出典：総務省 電気通信市場検証会議（第40回） 2024.5
出典：総務省 電気通信市場検証会議（第40回） 2024.5
■実際の調達先事業者（拠点間通信用途）
拠点間通信用途のネットワーク回線の実際の調達先事業者は、以下のいずれの回線および調達方法においても国内の電気通信事業者が上位の結果となっています。SIerではNTTデータや富士通、NECなどが事業者として挙げられています。
出典：総務省 電気通信市場検証会議（第40回） 2024.5
出典：総務省 電気通信市場検証会議（第40回） 2024.5
■調達先候補を選定する際の重視点（拠点間通信）
拠点間通信用途において、調達先候補を選定する際の重視点は「サービスの価格」が５割近くとなり、「通信障害時の対応力」「保守運用のサポート体制」が続く。
出典：総務省 電気通信市場検証会議（第40回） 2024.5