GX市場創出に向けたロードマップ
経済産業省は2024年3月26日、「産業競争力強化及び排出削減の実現に向けた需要創出に資するGX製品市場に関する研究会 中間整理」を公表しました。
今回かこの中から、GX市場創出に向けたロードマップについて取り上げたいと思います。
カーボンニュートラルの実現に向けて世界全体で脱炭素に向けた取組が進展し、その成否が、企業・国家の競争⼒に直結する時代になっています。このような中、企業は、レピュテーションリスクへの対応に加え、気候変動対策をGXを通じた競争⼒の獲得・向上の⼿段とすることが求められています。
排出量取引やカーボン・クレジットなどの環境価値の取引だけではなく、排出削減の成果を製品・サービスそのものの付加価値としていくことは、企業の気候変動対策を持続的なものとしていくためにも必要となっています。
企業の脱炭素投資によって⽣み出された製品単位のGHG排出削減量(製品のGX価値)は、サプライチェーン排出量(Scope3)の削減への寄与という形で、評価され始めつつある⼀⽅、最終消費者に対してはその価値訴求⽅法が限定的となっています。
そのため、製品のGX価値の⾒える化によって、例えば、エシカルプレミアムに基づく最終消費者による選好や、製品のGX価値を評価基準とした⽀援施策等が考えられるますが、そのために製品のGX価値の具体化・明確化が必要となっています。
その中で、主体のみが唯⼀の環境価値を主張するのではなく、それぞれが排出削減に取り組んだ結果として、アピールできるようにすることが、サプライチェーン全体での脱炭素を推進するために重要となっています。つまり、製品のGX価値を表す指標が必要となっています。
GX市場創出に向けたロードマップ
経済産業省では、製品のGX価値の⾒える化指標を⽤いて、需要者側に対する具体的なインセンティブにつなげることで、製品のGX価値を向上させ、GX製品市場の拡⼤につなげる方針です。
GX製品市場創出に向けた施策パッケージ
出典:経済産業省 産業競争力強化及び排出削減の実現に向けた需要創出に資するGX製品市場に関する研究会 中間整理 2024.3.26
さまざまな需要創出策を並⾏して打ち出しつつ、時間軸を⾒据えたメリハリのある対応が先⾏者利益を誘引するために、以下のロードマップを策定しています。
GX製品市場創出に向けたロードマップ
出典:経済産業省 産業競争力強化及び排出削減の実現に向けた需要創出に資するGX製品市場に関する研究会 中間整理 2024.3.26