「2030 デジタル・ライブラリー推進に向けたロードマップ」(案)
文部科学省は2024年3月4日、「2030デジタル・ライブラリー」推進に関する検討会(第5回)」を開催しました。
今回はこの中から、「2030 デジタル・ライブラリー推進に向けたロードマップ」(案)について、取り上げたいと思います。
大学図書館は、情報やデータ、知識が記録されることを前提として、大学における教育・研究の文脈においてそれらの発見可能性を高め、アクセスを保証し、また利活用できるようにすることで継続的に知が再生産されるようなシステムを維持するために存在しています。
大学図書館はこれからも知の再生産という使命を果たしていくため、今日では、オープンサイエンスとデータ駆動型研究の推進、教育のデジタル・トランスフォーメーションに即した機能的変化が求められるとしています。
この変化に対応して実現すべき大学図書館が「デジタル・ライブラリー」です。
「デジタル・ライブラリー」の実現は、オープンサイエンスを実質化し、データ駆動型研究の基盤を提供するもので、日本における研究成果の社会実装と研究力強化に寄与するものと位置づけています。
また、社会的要請であるリスキリングに対応して高等教育とその学修者が多様化する中で、いつでも、どこでも学ぶことを可能にし、学修者本位の質の高い教育・学修の実現に資するものでもあるとしています。
「デジタル・ライブラリー」の実現に向けた当面の目標である「2030 年の大学図書館の望ましい姿」を具体的に描くことです。
そのために、「実現に向けた課題」を整理した上で、大学図書館のみならず、国、大学、大学図書館関係団体等が目標の達成に向けて、何に取り組み、段階的に何を実現していくべきかをロードマップの形で示しています。
このロードマップでは、
・コンテンツの効果的な利活用に向けたデジタル化
・大学図書館の論理構造としての「ライブラリー・スキーマ」の明確化とそれに基づく大学図書館機能の実装
・オープンサイエンスに係る支援等、今後求められる新しい機能に対応しうる人材の育成と、育成された人材の適切な配置を実現する制度
を優先的に取り組むべき領域とし、大学図書館等の連携を、これらを実現する上での有力な手段として位置付けています。
出典:文部科学省 2030デジタル・ライブラリー」推進に関する検討会(第5回)2024.3.4