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人手不足に対する企業の動向調査、情報サービスの正社員の不足感は過去最高に

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2023年は、人手不足が企業経営に及ぼす影響がより顕著になった年であり、特に正社員の不足感が深刻化しています。

帝国データバンクは2024年2月26日に、「人手不足に対する企業の動向調査(2024年1月)」を公表しました。

全業種を通じて正社員の人手不足を感じている企業の割合が52.6%に達し、これは前年同月比で0.9ポイントの上昇を示しています。

一方で、非正社員の人手不足は29.9%と、正社員ほどではないものの約3割の企業が人材不足を感じており、業種によっては深刻な状況が続いています。

出典:帝国データバンク 人手不足に対する企業の動向調査 2024.2

IT エンジニア不足の情報サービス、77.0%で過去最高を更新

業種別では「情報サービス」が77.0%と、過去最高の不足率を更新しており、ITエンジニアの需要が高まる中での人材獲得の難しさが浮き彫りになっています。15 カ月連続で 7 割以上と高水準が続いており、過去最高を更新する結果となっています。

その背景には旺盛なシステム関連需要があります。企業からは「企業のシステム刷新のプロジェクトが相次いで発生し、人手不足の状態が続いている」(東京都)や「企業の設備投資意欲が高く、人手が足りていない状況が継続している」(神奈川県)、「システム開発の案件が増えてきているが、人材不足で対応できず受注に結びつけることができない」(東京都)など、人手不足がボトルネックとなっている現状が多くみられています。

出典:帝国データバンク 人手不足に対する企業の動向調査 2024.2

「2024 年問題」が懸念される建設/物流/医療業の約 7 割が人手不足

2024年問題として注目される建設/物流/医療業界では、正社員の人手不足が約7割に達し、これらの業界での人材不足の深刻化が予想されています。

この背景には、働き方改革関連法の施行による時間外労働の上限規制などが挙げられ、これらの業界では今後さらなる人手不足の悪化が懸念されています。

出典:帝国データバンク 人手不足に対する企業の動向調査 2024.2

人材の確保・定着に欠かせない「賃上げ」、人手不足を感じている企業ほど実施する傾向

企業が直面する人手不足問題に対処するための一つの解決策として、賃上げが注目されています。2023年の調査では、人手不足を感じている企業ほど賃上げを実施する傾向があることが明らかになりました。

特に正社員においては、人手不足を感じている企業の65.9%が賃上げを実施する見込みであり、これは「適正」と感じている企業や「過剰」と感じている企業を大きく上回っています。

しかし、原材料やエネルギーのコスト上昇など、賃上げを実施するにあたっての困難も指摘されています。

出典:帝国データバンク 人手不足に対する企業の動向調査 2024.2

まとめ

人手不足は2024年も企業経営にとって重要な課題であり続け、特に情報サービス業や建設/物流/医療業など特定の業界では人手不足がさらに深刻化する可能性があります。企業は、賃上げを含めたさまざまな施策を通じて、人材の確保・定着に努める必要があるでしょう。

このような状況下で、企業がどのように人手不足の解消に取り組むかが、今後の経済動向を左右する重要な要素の一つとなります。

特に、今回の春闘の賃上げの動きは、注目してみたいと思います。

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