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経済安全保障に関する産業・技術基盤の強化に向けた取組

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経済安全保障に関する産業・技術基盤強化に向けた取組みは、現代の国際情勢のもとでの重要な政策の一つです。世界が直面しているさまざまな脅威とリスクに対応するため、日本政府は「産業・技術基盤強化アクションプラン」を策定しました。このプランは、我が国の産業と技術の土台を強化し、経済安全保障を確保するための官民連携の取組みを包括的に示しています。

経済産業省は2024年2月20日、「第20回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会」を開催しており、経済安全保障に関する産業・技術基盤強化に向けた取組みを中心にとりあげたいと思います。

背景と位置づけ

現代の国際情勢は、法に基づく自由で開かれた国際秩序が揺らぎ、経済的威圧を含むリスクが高まっています。このような状況では、国力としての経済力の強化が急務となっており、政府と産業界はこれらの脅威から産業・技術基盤を守るために戦略的な対話と協力が必要です。このアクションプランは、そうした官民の取組みを本格化し、具体的な方向性と内容を明確にするものです。

経済安全保障に関する考え方

政策全体として重視される「3つの切り口」には、以下のようなものがあります。

  1. イノベーション・サプライチェーンの強化: 官民連携を通じて、変動する世界情勢の中でも事業を継続・強化できるよう支援します。「Small Yard High Fence」の方針を維持しながら、経済安全保障に関連する産業政策の理解促進と官民連携の強化を目指します。
  2. 産業支援策と産業防衛策の一体的実施: 脅威とリスクから産業・技術基盤を守り、発展させるために、支援策と防衛策を一体的に進めます。
  3. 戦略的な同志国・地域との連携: 経済安全保障における戦略的対話を進め、産業・技術基盤強化のための協力関係を構築します。

主な取組み

  • 産業支援策: コンピューティング、クリーンテック、バイオなどの戦略技術分野における国内投資促進、デマンド対策、同志国・地域との連携を強化します。
  • 産業防衛策: 新たな国際安全保障環境に対応した輸出管理や投資管理の制度見直し、企業のリスク管理に関する指針・ガイドラインの策定などを進めます。
  • 国際枠組みの構築: 経済的威圧への対応や、経済安全保障に関する政府間対話の整理・発展を進めます。

このアクションプランは、国際的な協調と連携を重視しつつ、日本の産業・技術基盤の自立性と多様性を確保することを目指しています。

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出典:経済産業省第20回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2024.2.20

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