AI事業者ガイドライン第1.0版(案) チェックリスト
経済産業省は2024年3月14日、「第3回 AI事業者ガイドライン検討会、第27回AIネットワーク社会推進会議、第23回AIガバナンス検討会 合同会議」を開催しました。
本会合では、「AI事業者ガイドライン第1.0版(案) チェックリスト」を公開していますので、その内容を取り上げたいと思います。
チェックリスト
[全主体向け]
本チェックリストは、AI事業者ガイドライン「第2部C.共通の指針」を要約したものです。事業者に求められる重要な取組事項のチェックにご活用ください
※高度なAIシステムに関係する事業者は、「チェックリスト[別添7 B.高度なAIシステムに関係する事業者向け] 」も実施ください
チェック項目
人間中心の考え方を基に、憲法が保障する又は国際的に認められた人権を侵すことがないようにしているか?
AIに関わる全ての者の生命・身体・財産、精神及び環境に危害を及ぼすことがないよう安全性を確保しているか?
潜在的なバイアスをなくすよう留意し、それでも回避できないバイアスがあることを認識しつつ、回避できないバイアスが人権や多様な文化を尊重する公平性の観点から許容可能か評価しているか?
プライバシーを尊重・保護し、関係法令を遵守しているか?
AIの振る舞いが、外部的操作によって意図せぬ変更や停止が生じることのないようにセキュリティを確保しているか?
透明性を確保するために、AI自体やAIシステム・サービスの情報をステークホルダーに対し合理的で技術的に可能な範囲で提供しているか?
データの出所やAIの意思決定等のトレーサビリティに関する情報やリスクへの対応状況等について、関連するステークホルダーに対して合理的な範囲でアカウンタビリティを果たしているか?
AIガバナンスやプライバシーに関するポリシー等を策定しているか? 上記の実現のため、各事業者の状況に応じた具体的なアプローチは検討しているか?
チェックリスト
[高度なAIシステムに関係する事業者向け]
本チェックリストは、AI事業者ガイドライン「第2部D. 高度なAIシステムに関係する事業者に共通の指針」を要約したものです。
高度なAIシステムに関係する事業者に該当する事業者に求められる重要な取組事項のチェックにご活用ください(⾼度なAIシステムを開発するAI開発者にのみ適⽤される内容もあるため、AI提供者及びAI利⽤者は適切な範囲でご活用ください)
チェック項目
高度なAIシステムの市場導入前及び開発全体を通じて、 AIライフサイクル全体にわたるリスクを特定、評価、軽減するための適切な措置を講じているか?
市場投入後に脆弱性、インシデント、悪用パターンを特定し、緩和しているか?
十分な透明性の確保やアカウンタビリティの向上のため高度なAIシステムの能力、限界、適切・不適切な使用領域を公表しているか?
産業界、政府、市民社会、学界を含む関係組織間で、責任ある情報共有とインシデントの報告に努めているか?
リスクベースのアプローチに基づくAIガバナンス及びリスク管理方針を策定、実施、開示しているか?
AIのライフサイクル全体にわたり、物理的セキュリティ、サイバーセキュリティ、内部脅威を含む、強固なセキュリティ管理に投資し、実施しているか?
技術的に可能な場合は、AIが生成したコンテンツを識別できるように、電子透かしやその他の技術等、信頼性の高いコンテンツ認証及び来歴のメカニズムを開発、導入しているか?
社会的、安全、セキュリティ上のリスクを軽減するための研究を優先し、効果的な軽減策に優先的に投資しているか?
気候変動、健康・教育などの世界の最大の課題に対処するため、高度なAIシステムの開発を優先しているか?
国際的な技術規格の開発を推進しているか?
適切なデータ入力措置と、個人データ及び知的財産の保護を実施しているか?
誤情報の拡散等のAI固有リスクに関するデジタルリテラシーの向上や脆弱性の検知への協力と情報共有等、高度な AI システムの信頼でき責任ある利用を促進し、
貢献しているか?