今後5年のAIの取り組みや課題に関する予測10項目
IDC Japanは2024年2月28日、「2024年以降の世界および国内のAIの取り組みや課題に関する10大予測」を発表しました。
IDC Japan、今後5年のAIの取り組みや課題に関する予測10項目を発表 ~IDC FutureScape Japan Implication~
デジタルビジネスに欠かせない技術の一つであるAIは、深層学習や、自然言語処理、画像認識、そして、テキストや画像、音声の生成など、複数の技術領域で継続的な進化を遂げています。
生成AIの認知と利用への期待が急速に高まっており、今後は、テキストに留まらず、画像や音声などマルチモーダルなアルゴリズムの組み合せ利用によって、ユーザーに提供されるエクスペリエンスや、インサイトはさらに高度化すると予測しています。
また、AIに対する法規制やガイドラインは技術進展か、規制の厳格化かの間で国内外はさまざまな議論があり、社会全体としてリスクに対して適切に対応することが求められるとしています。
このような状況のもと、IDCでは2023年10月に、全世界のAIの取り組みや課題に関する10大予測を「 IDC FutureScape: Worldwide Artificial Intelligence and Automation 2024 Predictions 」で発表しました。
さらに、世界と比較した国内での動向を2024年1月に発表しており、そこで以下のとおり10項目を挙げています。
1. 安全なGenerative AI:
2026年までにクラウドとソフトウェアプラットフォームプロバイダーはGenerative AIのセーフティとガバナンスを彼らのサービスに優先的にバンドルし、Generative AIのリスクシナリオを減少させる。
2. AI法規制:
2026年までに、地域を横断するAIの法規制は多国籍企業に対して主要なチャレンジをもたらす。そして、機密性の高いユースケースの実装時間と労力は増加する。
3. 人と機械の対話が世代交代:
国内では2027年までにGenerative AIデジタルアシスタントは、企業アプリとの対話のユーザーインターフェースとなり、さらには顧客エンゲージメントなどのビジネスプロセス運用にも利用される。
4. 企業の自動化は結果重視:
2025年までに、国内企業はGenerative AIを一時的に注力した後には、特定のテクノロジーではなく、成果に基づいた自動化戦略を必須とすることに注力しはじめる。
5. コアITのAI支出の割合:
2027年までに、国内企業はコアIT支出の一定以上をAIイニシアティブに割り当て、製品とプロセスのイノベーション率を上昇させる。
6. AIの経済インパクト:
2027年までに全体的なAIの経済インパクトは中和される。企業は最初の混乱を乗り越えて、イノベーションと新たなビジネス機会にリソースを再集中させ、経済拡大を推し進めていく。
7. セルフサービスのナレッジディスカバリー:
2025年までに、国内企業はGenerative AIとRAGの組み合せによって、セルフサービスでの産業特化のナレッジディスカバリーを強化することで、意思決定を向上させる。
8. 破壊的なビジネスモデル:
2024年までに、一定数の国内企業が革新的なビジネスモデルでGenerative AIの収益化の可能性を倍増させる。
9. Future of AI:
2028年までに、一定数の国内企業が、社会に変革的な影響を与え、重大な機会と脅威を生み出すAGI(現時点では確実ではないが)システムを実験することになる。
10. シリコンの異質性:
2027年までに、サーバーCPUと比較したサーバーアクセラレーターへの支出バランスが変化する。
最後に
人と機械が生み出すイノベーションから社会に変革を与えられるようなビジネスモデルをいかにして最新技術とを組み合わせて獲得するか、探索を続けること
AIを代表とする最新の自動化技術を事業活動に展開し、その活動を通じて自社のブランド力を向上させること
といったことも挙げられています。