IT運用においても生成AIが大きなインパクトをもたらす
IDCは2023年11月7日、「How Generative AI Is Set to Play a Leading Role in IT Operations」というレポートにおいて、アジア太平洋地域におけるIT運用(ITOps)内での生成AIの変革的な役割が明らかになったと発表しました。
Generative AI Drives Significant Impact to IT Operations in Asia/Pacific, According to IDC
IDCの2023年度「未来企業のレジリエンスと支出」調査では、調査された組織のほぼ半数(43%)が現在生成AIの使用事例を探求中であり、金融機関と通信会社の55%が2023年に生成AI技術への投資を行っているといいます。
アジア太平洋地域においてデジタルファーストの考え方が勢いを増す中、企業は運用の強化に向けた革新的なソリューションを求めています。生成AIは重要な技術として注目が高まっており、企業にリスクの軽減、効率の向上、そして全体的な生産性の改善の手段を提供していくとしています。
IT運用とITサービス管理において、特にコストに敏感なアジア太平洋環境において生成AIがへの期待が高まっています。生成AI技術はITOpsタスクの自動化を提供し、運用コストを削減し、リソースを最適化するといったメリットがあります。
オーストラリア、日本、シンガポールなどや、インドや中国など急速に成長している市場を含むこの地域は、多様なIT要件と課題を抱えています。成長中の経済においては、生成AIは拡張可能なITOpsを容易にする重要な役割を果たすとしています。
IDCのアナリストは
生成AIはITOpsチームの全体的な生産性を向上させることができます。これは、ITOpsワークフローを合理化し、運用費用を削減し、システムの信頼性を高めることによります。しかし、生成AIシステムは、企業の目標と一致するように適切に実装され、予期しないイベントを管理するための適切なハードルが設けられている必要があります
とコメントしています
本レポートでは、生成AI革命が続く中で企業が注視すべきITOpsのトレンドを整理しています。
AIOpsの台頭:
アジア太平洋地域においてAIOpsソリューションの注目度が高まっています。MLとAIアルゴリズムが地域全体の企業によってITプロセスの自動化、パフォーマンスの監視、およびIT災害の予測と回避に活用されています。
予測分析:
ITOpsにおけるAI駆動の予測分析は、企業がIT問題を予測し、中断を防ぐのに役立ちます。
ハイブリッドクラウドとマルチクラウド管理:
企業がハイブリッドクラウドとマルチクラウド環境の採用にあたって、生成AIはこれらの複雑なインフラストラクチャの管理に使用されています。
継続的な改善:
生成AIモデルは複雑さと品質で進化し、IoTやエッジコンピューティングと統合される可能性が高く、データ収集と分析を強化しています。
IDCアジア太平洋ソフトウェア調査2023によると、インド、インドネシア、マレーシアなどの国々の50%以上の企業が、デジタルイノベーション戦略の一環として生成AIから運用効率と自動化の向上を期待しており、これらの産業におけるITの俊敏性の必要性が高まっているといいます。