「デジタル庁年次報告書」からみるデジタルの活⽤により⽬指す社会の姿
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デジタル庁の設立から2年が経過し、デジタル庁では2023年8月31日、2022年9月から2023年8月までの活動の報告書となる「デジタル庁年次報告書」を公表しました。
本報告書の中から、「デジタルの活⽤により⽬指す社会の姿」について、とりあげたいと思います。
デジタル庁では、
デジタルの活⽤により、⼀⼈ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会
というビジョンのもと、「多様な幸せを実現できる社会を⽬指し、⼈に優しいデジタル化」を進めていくとしています。
デジタル技術の進展により、多様な状況や要望への対応を低コストで実現できるようになり、⼀⼈ひとりに合わせたきめ細かいサービスや体験を提供できるようになってきました。
このデジタルの活⽤を社会全体で協⼒しながら進め、誰⼀⼈取り残されることなく、多様な幸せを実現できる社会を⽬指します。
社会全体のデジタル化は、国⺠⽣活に⼤きな利便性をもたらし、業務や事務における⼿間を⼤幅に削減し、新たな産業やビジネスが⽣まれる機会を創り出します。
⼀⽅で、社会のデジタル化において前提となるは国⺠⼀⼈ひとりの安全・安⼼です。私たちは、国⺠⼀⼈ひとりが安⼼してデジタルの恩恵を享受できる「⼈に優しいデジタル化」を進めていきます。出典:デジタル庁 デジタル庁年次報告書 2023.8.31
デジタルの活用により目指す社会
デジタル庁では、デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を目指しています。
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出典:デジタル庁 デジタル庁年次報告書 2023.8.31
少⼦⾼齢化や地域の⼈⼝減少の課題とともに、災害等の有事への備えや脱炭素化‧循環経済への移⾏等も課題です。
デジタルを最⼤限活⽤して我が国の様々な課題の解決を図らなければ世界に追いつくのは不可能です。
そこで、国‧地⽅公共団体や⺠間との連携の在り⽅を含めたアーキテクチャの設計やクラウドサービスの徹底活⽤、デジタル原則を含む規制改⾰の徹底、調達改⾰、データ戦略、データ連携やDXの推進、AIの適切かつ効果的な活⽤等により、我が国全体のデジタル競争⼒が底上げされ、成⻑していく持続可能な社会を⽬指します。出典:デジタル庁 デジタル庁年次報告書 2023.8.31
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出典:デジタル庁 デジタル庁年次報告書 2023.8.31
医療、教育、防災、こども等の様々な切り⼝から断⽚的‧画⼀的なサービスが提供されている状況にあり、⽬指す姿になりきれていません。
そこで、必要なデータの連係等を通じて、国⺠⼀⼈ひとりのニーズに応じたプッシュ型の情報提供の充実を図り、国⺠⼀⼈ひとりのニーズやライフスタイルに合ったサービスが提供される豊かな社会、継続的に⼒強く成⻑する社会の実現を⽬指します。出典:デジタル庁 デジタル庁年次報告書 2023.8.31
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出典:デジタル庁 デジタル庁年次報告書 2023.8.31
デジタル化は、地域の課題を解決する可能性を⾶躍的に増⼤し、データ収集やアイデア‧⼿法の共有、全国展開も容易にする⼒を持ちます。
しかし、地域においては、⼈⼝減少や少⼦⾼齢化、産業空洞化、防災等様々な社会課題に直⾯しています。
そこで、地⽅の共通基盤を国が⽀援すること等により、地域からデジタル改⾰、デジタル実装を推進します。デジタル⽥園都市国家構想の実現、地域で魅⼒ある多様な就業機会の創出等を図り、地域の課題が解決され、各地域で培われてきた地域の魅⼒が向上する社会を⽬指します。出典:デジタル庁 デジタル庁年次報告書 2023.8.31
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出典:デジタル庁 デジタル庁年次報告書 2023.8.31
デジタル技術の進展により、⾃分に合ったスタイル(⾳声、視線の動き等)でデジタル機器‧サービスを利⽤可能となる等、従来できないと諦めていたことが可能な時代です。
そこで、地理的な制約、年齢、性別、障害や疾病の有無、国籍、経済的な状況等にかかわらず、誰もが(デジタル化に不慣れな⽅にも‧デジタル化を利⽤する⽅にも)⽇常的にデジタル化の恩恵を享受でき、様々な課題を解決し、豊かさを真に実感できる「誰⼀⼈取り残されない」デジタル社会を⽬指します。出典:デジタル庁 デジタル庁年次報告書 2023.8.31
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出典:デジタル庁 デジタル庁年次報告書 2023.8.31
デジタル改⾰やデジタル実装を進めていくための⼈材不⾜の課題が、国、地⽅、企業等あらゆる局⾯で顕在化しています。
そこで、全国⺠が当事者であるとの認識に⽴ち、ライフステージに応じた必要なICTスキルを継続的に学ぶことができることで、デジタル⼈材の底上げと専⾨性の向上を図り、デジタル⼈材が育成‧確保される社会を⽬指します。出典:デジタル庁 デジタル庁年次報告書 2023.8.31
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出典:デジタル庁 デジタル庁年次報告書 2023.8.31
プライバシーやセキュリティ上の懸念、情報の極端な偏在、競争上の課題等が国際的に顕在化しています。
DFFTを含む国際的な共通認識の醸成、データ流通やデジタル経済に関するルール‧原則の合意等において、我が国が世界をリードするという視点が不可⽋です。
DFFT具体化のための国際的な枠組みを設⽴し、データの越境移転に関する課題解決につながる国際連携プロジェクトを実施し、DFFT の⼀層の具体的推進に資する成果に向けて取り組んでいきます。出典:デジタル庁 デジタル庁年次報告書 2023.8.31
まとめ
デジタルの活用により目指す社会では、現状における課題などを踏まえて、デジタル庁としてデジタル化によりどういう社会を目指していくか、という点に焦点が置かれています。
デジタル庁では、マイナンバーへの対応などの課題も山積していますが、象徴横断の旗振り役となるデジタル庁の役割や期待値はますます大きくなるでしょう。
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