経済産業省が取り組む「レジリエンス社会の実現」とは?中間整理から見る施策の方向性
経済産業省は2023年4月11日、「レジリエンス社会の実現に向けた産業政策研究会 中間整理」を公表しました。
レジリエンス社会の実現に向けた産業政策研究会の中間整理は、経済産業省が主導する取り組みであり、レジリエンス社会の実現に向けた施策を検討しています。以下では、この中間整理について、検討の経緯、経済産業省が「レジリエンス社会の実現」に取り組む意義、施策の方向性について解説します。
1.検討の経緯
レジリエンス社会とは、災害や危機に対して迅速かつ適切な対応ができる社会を指します。近年、自然災害やテロなどの脅威が増加しており、レジリエンス社会の実現が求められています。このような背景から、2019年6月に経済産業省は「レジリエンス社会の実現に向けた産業政策研究会」を立ち上げました。この研究会では、企業や自治体などから意見を募集し、レジリエンス社会を実現するための施策を検討しています。
2.経済産業省が「レジリエンス社会の実現」に取り組む意義
経済産業省が「レジリエンス社会の実現」に取り組む意義は、以下のようにまとめられます。
・国民生活や企業活動など、社会全体が災害や危機に対して強くなることが必要である。
・レジリエンス社会を実現することで、国民の安全・安心を確保し、経済活動の継続性を高めることができる。
・レジリエンス社会を実現することで、日本の国際競争力を高めることができる。
3.施策の方向性
産業政策研究会では、以下のような施策の方向性が示されています。
・災害に強い社会基盤の整備
- 道路や鉄道、電力や通信など、社会インフラの耐震化やバックアップ体制の整備。
- 人工知能やビッグデータなど最新技術を活用した災害予測・早期警戒システムの整備。
・企業におけるリスクマネジメント体制の強化
- リスク評価指標やインパクト評価指標に基づくリスクマネジメント体制の整備。
- 事業継続計画(BCP)やサプライチェーン管理(SCM)など、企業のリスクマネジメント体制の強化。
・地域社会における防災・減災力の向上
- 地域住民や自治体職員の防災・減災教育の充実。
- 地域コミュニティやNPOなどと連携した防災・減災活動の推進。
「レジリエンス社会の実現」に向けた今後5年間の取組の方向性(案)については以下のとおりまとめており、「経済産業政策の新機軸」では、各政策テーマについて5~10年腰を据えて取り組む。特に今後5年間を集中取組期間。今後、進捗を把握する指標を設定しつつ、各取組を具体化していくとしています。
今後の中長期的な検討について
出典:経済産業省 レジリエンス社会の実現に向けた産業政策研究会 中間整理 2023.4.11