キャッシュレス推進の社会的意義
経済産業省は2023年3月3日、「第5回 キャッシュレスの将来像に関する検討会」を開催しました。
今回はこの中からキャッシュレス推進の社会的意義について、とりあげたいと思います。
経産省では、2018年4月の「キャッシュレス・ビジョン」と同様、「物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態」を「キャッシュレス」と定義しています。
経産省では、キャッシュレス化を実現することで、「既存の課題解決」×「新たな未来を創造」する行動変容を喚起することができるとしています。
出典:経済産業省 第5回 キャッシュレスの将来像に関する検討会 2023.3
キャッシュレス化の意義として考えられる項目の概要は以下のとおりです。
キャッシュレス推進の社会的意義 | 概要
出典:経済産業省 第5回 キャッシュレスの将来像に関する検討会 2023.3
1つ目のキャッシュレス推進の社会的意義は、消費者の利便性向上です。
キャッシュレス化の推進によって、現金利用と比較して、スピーディーな支払の実現などの利便性向上につながるとしています。
消費者の利便性向上
出典:経済産業省 第5回 キャッシュレスの将来像に関する検討会 2023.3
2つ目が、インフラコストの削減です。現金決済インフラを維持するためのコストは、年間2.8兆円 に上ると推計されています。
インフラコストの削減
出典:経済産業省 第5回 キャッシュレスの将来像に関する検討会 2023.3
3つ目が、業務効率化/人手不足への対応です。
事業者・行政機関の現金関連業務は多岐に渡っており、キャッシュレス化の推進により、業務効率化・人手不足解消の後押しが可能になります。
業務効率化/人手不足への対応
出典:経済産業省 第5回 キャッシュレスの将来像に関する検討会 2023.3
4つ目は、公衆衛生上の安心で、5つ目は不正 / 犯罪抑止です。
現金の保有や現金の取引は不正/犯罪のリスクを生じさせており、キャッシュレス化の化推進により、窃盗・内部不正の抑止や犯罪組織の資金特定に寄与できます。
不正 / 犯罪抑止
出典:経済産業省 第5回 キャッシュレスの将来像に関する検討会 2023.3
6つ目がデータ連携・デジタル化です。
キャッシュレス化による決済データの連携・利活用は、デジタル社会の目指す姿実現に貢献できる要素を持っているとしています。
データ連携・デジタル化
出典:経済産業省 第5回 キャッシュレスの将来像に関する検討会 2023.3
7つ目が、多様な消費スタイルの創造です。キャッシュレスとデジタルが組み合わさることで、多様な消費スタイルが創造されるとしています。
多様な消費スタイルの創造
出典:経済産業省 第5回 キャッシュレスの将来像に関する検討会 2023.3
そして、8つ目医が脱炭素社会への貢献です。
キャッシュレス化の推進は「単に脱現金によるCO2排出量削減」に貢献できるだけでなく、「決済データの利活用によるCO2削減に向けた行動変容」促進に寄与していくとしています。
脱炭素社会への貢献
出典:経済産業省 第5回 キャッシュレスの将来像に関する検討会 2023.3