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サプライチェーン・バリューチェーンのGX・DXに向けた実現の方向性

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経済産業省は2023年3月1日、「第12回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会」を開催しました。

サプライチェーン・バリューチェーンのGX・DXに向けた4つのミッション

今回は、この中から、サプライチェーン・バリューチェーンのGX・DXに向けた実現の方向性についてとりあげたいと思います。

カーボンニュートラルの実現等の世界的な社会的要請の高まりを受け、関連企業に対してサプライチェーン全体での対応を求める法規制が欧州中心に進展しています。適切に対応できなければ、製品を海外で販売できない、調達できない、営業秘密情報を提出しないといけない、といった企業経営上の課題に波及するおそれがあると指摘しています。その一例として、2024年度から欧州電池規則が施行する取組をあげています。

このため、日本としては、デジタル技術を活用したサプライチェーンマネジメント基盤を早期に構築し、世界の潮流への対応を図る、GX・DXの実現が重要となっています。

サプライチェーン・バリューチェーンのGX・DXの対応の歩行性ですが、サプライチェーン・バリューチェーンのGX・DXを通じて、以下のミッションに対応し、その際、取り扱う製品やデータが変化しても対応可能な仕組み(システムやルール等)の構築を進めて拡張性を確保することが重要としています。

①トレーサビリティ管理の実現では、製品品質の確保や向上、不具合発生時の対応負荷軽減等に加え、環境対策や人権デューデリジェンスといった新たな社会的要請の高まりは、特定分野の工業製品に限らず、生活全般に関与するすべての製品・サービスに展開される可能性がある。このような動向を踏まえ、バリューチェーン全体で製品・サービスのトレーサビリティを管理する仕組みの構築が重要となっています。

開発製造の効率化・活性化では、ものづくりにおいては、価値源泉がハードウェアからソフトウェア・データに移行しつつあり、ソフトウエアを用いた仮想環境でデジタルモデルを作成しシミュレーションを行いながら、開発製造の効率化、活性化を行う仕組みの構築の重要性が高まっています。

サプライチェーン強靭化・最適化では、グローバル化に伴い、自然災害や感染症、地政学リスク等によるサプライチェーンの寸断が経済に与える影響度が高まっています。また多様化する顧客ニーズに柔軟に対応するためにも、サプライチェーン全体を可視化して変化を迅速に把握した上で、物流経路、生産拠点、調達先を柔軟に切り替えるなどの、タイムリーな意思決定と実行の重要性が高まっているとしています。

経理・財務のデジタル完結では、内国為替取引(2023年10月デジタルインボイス、官公需におけるデジタル完結)や外国為替送金(2025年11月 SWIFT MXへの完全移行や外為関連規制の強化)において、事業会社の財務部門は、従来自部門で把握していなかった受発注・請求情報と決済情報を紐づける必要性が高まっているとしています。

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出典:経済産業省 第12回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2023.3.1

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