GXイノベーションを担う企業を取り巻く環境と担い手としてのスタートアップ
経済産業省は2023年3月7日、「第28回 産業構造審議会 産業技術環境分科会 研究開発・イノベーション小委員会」を開催しました。
今回はこの中から、GXイノベーションを担う企業を取り巻く環境と担い手としてのスタートアップについてとりあげたいと思います。
「2050年カーボンニュートラル」は、従来の政府方針を大幅に前倒すものであり、並大抵の努力では実現できず、エネルギー・産業部門の構造転換や、大胆な投資によるイノベーションといった現行の取組を大幅に加速することが必要となっています。
世界では、カーボンニュートラル(CN)目標を表明する国・地域が急増し、そのGDP総計は世界全体の約90%を
占めるています。
また、◼ ロシアによるウクライナ侵略やそれによる燃油高等によってもこうした流れは停滞せず、既に欧米をはじめとして、排出削減と経済成長をともに実現するGX(グリーントランスフォーメーション)に向けた大規模な投資競争が激化しています。
こういった状況の中、GX投資等によるGXに向けた取組の成否が、企業・国家の競争力に直結する時代に突入しています。
GXイノベーションを担う企業を取り巻く環境をみてみましょう。
企業は、消費者、労働者、株主、取引先、金融機関、政府等、多様なステークホルダーと直面・協働しながら、GXに向けたリスクテイク、大規模投資を行っていくことが必要となっています。
GXを実現するためには、以下のようにイノベーションの担い手となる企業とともに、経済社会システム全体の変革に向けた取組が求められています。
GXイノベーションを担う企業を取り巻く環境
出典:第28回 産業構造審議会 産業技術環境分科会 研究開発・イノベーション小委員会 2023.3
そして、GXイノベーションの担い手としてのスタートアップの存在です。
GX関連分野における日本の技術ポテンシャルは大きい一方で、約4割の企業が社内に多くの技術を死蔵し技術の有効活用ができていません。
国内外において、GX分野のスタートアップによる新たな価値の創出が進んでいるが、「GlobalCleantech 100」に選ばれる日系スタートアップが存在しないなど、国内における同分野のスタートアップは数・投資額ともに限定的となっています。
このため、技術ポテンシャルの有効活用のためにも、スタートアップを含め、GXを担う主体の多様化を進めることが重要としています。
GXイノベーションの担い手としてのスタートアップ
出典:第28回 産業構造審議会 産業技術環境分科会 研究開発・イノベーション小委員会 2023.3