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成長志向型の資源自律経済の確立のための「資源循環市場」

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経済産業省は2022年12月16日、「第10回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会」を開催しました。

今回はこの中から、成長志向型の資源自律経済の確立から、資源・環境制約を成長機会に転換する「資源循環市場」について、とりあげたいと思います。

物資や資源の供給制約が断続的に発生し、不確実性の高まる世界情勢の中、資源制約・環境制約に直面する我が国にとって、国際的な供給途絶リスクを可能な限りコントロールし、国内の資源循
環システムの自律化・強靱化を図ることを通じて力強い成長に繋げることが必要となっています(=中長期的にレジリエントな国内外の資源循環システムの再構築)。

循環性の高いビジネスモデルへの転換は、事業活動のサステナビリティを高め、中長期的な国際競争力の獲得にも繋がるもの、という考えの下で、

あらゆる産業が、廃棄物・環境対策としての3R(Reduce, Reuse, Recycle)の延長ではなく、
「経済と環境の好循環」に繋がる新たなビジネスチャンスと捉え、経営戦略・事業戦略のコアに「資源循環」を位置付けて事業を行うことができるよう、資源循環市場の創出を図る。
併せて、循環経済(サーキュラーエコノミー)の認知度を高め、循環型に発想を転換していくため、市場・社会からの適正な評価や行動変容を促す仕組みを構築することの重要性を示しています。

これらの実現に向けて、2022年10月3日に「成長志向型の資源自律経済デザイン研究会」を立ち上げ、専門的な検討を実施中。まずは2022度中に、日本が目指すサーキュラーエコノミーの方向性を、「成長志向型の資源自律経済戦略(仮称)」として取りまとめ、2023年度以降に同戦略に基づく制度整備等を実施していくとしています。

この中で、重要となるのが、資源・環境制約を成長機会に転換する「資源循環市場」の創出です。

資源循環市場は、資源創出、技術・設備提供、セカンダリ・PaaSと多岐にわたっています。

特に個人的に注目しているのが、サーキュラーエコノミー関連技術や設備です。

スクリーンショット 2022-12-17 9.17.14.png

出典:経済産業省 第10回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2022.16

「資源循環市場」創造に必要となる打ち手について、以下のとおりまとめています。

資源循環市場の創出は、動静脈の連携、行政による環境整備と政策的支援が必須としています。

また、以下の打ち手を整理し、政府全体の成長戦略に昇華していく必要性もあげています。

サーキュラエコノミー関連技術や設備では、打ち手の例として、情報プラットフォームのアーキテクチャ構築などをあげています。

サーキュラエコノミー向けのプラットフォームが構築されて、関連するステークホリダーが参画し、エコシステムが形成されるようになれば、資源循環市場というのは本格的に立ち上げっていくのかもしれません。

スクリーンショット 2022-12-17 9.20.24.png

出典:経済産業省 第10回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2022.16

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