スタートアップにおけるミッション志向型イノベーション
経済産業省は2022年12月16日、「第10回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会」を開催しました。
今回はこの中から、ミッション志向型イノベーションについてとりあげたいと思います。
新機軸部会(令和4年11月)において、日本経済・産業の現状を踏まえた経済産業
政策の新機軸全体の方向性として、「国内投資の拡大、イノベーションの加速、国民の所得の向上」の3つの好循環を目指すことについて、合意形成が図られています。
その際、
①イノベーションの加速はミッションの実現に必要不可欠であること、
②ミッション毎に、解決すべき具体的なニーズに応じた対応が求められること、
③スタートアップや科学技術イノベーションのエコシステムの強化
といった横断的な「土壌作り」が必要であること等が提示されています。
イノベーションの加速はミッションの実現に必要不可欠のところを少しフォーカスしてみたいと思います。
ミッションを実現するためのイノベーションでは、①炭素中立型社会の実現に向けて、2050CN、2030温室効果ガス排出46%減をするといったような社会課題などに向けたミッションが重要となります。
この中では、①炭素中立型社会の実現から、⑥バイオものづくり革命の実現まで、ミッションも含めてまとめています。
出典:経済産業省 第10回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2022.16
ミッション×イノベーションの先進例に、グリーンイノベーション基金があります。
GXに向けたイノベーション政策ツールとして、グリーンイノベーション基金(GI基金)が2021年3月から設置されています。
2050CNという野心的な目標に向けた、2兆円を超える大規模・長期事業であることを踏まえて、一般的な研究開発支援策よりも、ミッション実現・社会実装を見据えた様々な工夫が行われています。
この中では、GI基金におけるこうした工夫を、他のミッション実現に向けて横展開すべきではないか、という必要性を示しています。
また、「スタートアップ」とミッション実現について(例)では、スタートアップ型企業は、社会課題に対する解決策をビジネスに変え、価値を提供できる存在であり、新機軸で示された6つのミッション実現に対しても、それぞれの分野の特徴と課題に応じた支援策が必要なのではないか、としています。
出典:経済産業省 第10回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2022.16