カーボンフットプリントの取組み⽬的
経済産業省は2022年10月27日、「第2回 サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けたカーボンフットプリントの算定・検証等に関する検討会」を開催しました。
この中から、カーボンフットプリントの取組み⽬的について、とりあげたいと思います。
カーボンフットプリントについて、以前は製品ユーザーに対してGHG排出量を表⽰することが主な⽬的でした。
近年はサプライチェーン排出量をより精緻に把握したり、製品間⽐較を⽬的としない情報提供のためにCFPを利活⽤する例が増加している点をあげています。
たとえば、スコープ3カテゴリ1 (組織単位) の算定に⽤いるCFPや⾃主的な (製品間⽐較を⽬的としない) CFP 等をあげています。
製品間⽐較を⽬的としない場合においては、PCRを⽤いずISO14067等の国際的な基準に基づいて⾃社独⾃の算定ルールを策定してCFPに取り組む企業が増加している点もあげています。
カーボンフットプリントの取組目的を以下の2種類で図でまとめています。
企業がCFPに取り組む⽬的は、
①製品単位の排出量の把握・共有を⽬的とする場合と、
②それに加えて他社製品との⽐較をする場合
との2種類に⼤別が出来、それぞれ様々なシーンでの活⽤が想定されるとしています。
①製品単位の排出量の把握・共有では、
• ⾃社のサプライチェーン全体の排出量の把握、排出源の多いプロセスの分析
• ⾃社製品の排出量の削減計画の策定、削減推移の測定
• サプライヤに対する排出削減の協⼒要請
• ⾦融市場・評価機関等からのScope3排出量に対する開⽰要求への対応
• ⾃主的なCFPによる企業/製品ブランディング
②異なる企業の同等の製品 (素材、部品) との⽐較では、
• CFPを活⽤した公共調達
• CFPに基づく規制等
• 顧客企業におけるグリーン調達⾏動での要件化
• 統⼀的な環境ラベルを⽤いた同⼀製品群での排出量の表⽰
出典:経済産業省 第2回 サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けたカーボンフットプリントの算定・検証等に関する検討会 2022.10
製品単位の排出量の把握・共有を⽬的としたCFPは、他社製品との⽐較を⾏う際よりも要件は緩和され、企業にとって取組みの難易度が⽐較的低く、コストも安いとしています。
一方、②異なる企業の同等の製品 (素材、部品) との⽐較では、要件も厳しい点もあげています。
出典:経済産業省 第2回 サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けたカーボンフットプリントの算定・検証等に関する検討会 2022.10