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循環経済(サーキュラーエコノミー)と成⻑志向型の資源⾃律経済

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経済産業省は2022年10月5日、「第1回 成長志向型の資源自律経済デザイン研究会」を開催しました。

本研究会開催の背景は以下のとおりです。

近年、資源エネルギーの制約や気候変動問題、廃棄物問題等を背景に、資源の効率的・循環的な利用を図りつつ付加価値の最大化を図る「循環経済」(サーキュラーエコノミー)へのトランジションが、欧州を始め、世界的に進行しています。

経済産業省では、2020 年5月に「循環経済ビジョン 2020」を策定するとともに、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(令和3年法律第 60 号)の制定や、鉱物資源やプラスチックの高度選別及びリサイクルに関する研究開発の支援等に取り組んできています。

その一方で、カーボンニュートラルに向けた機運の高まりやウクライナ情勢の不安定化による資源エネルギーの供給不安等の情勢も踏まえれば、資源循環経済政策について、資源政策、環境政策及び産業政策の文脈からさらなる拡充や加速化を図ることが急務となっています。

本研究会では、具体的には、「成長志向型の資源自律経済の確立」に向けて、

①資源の再利用・再資源化
②資源の生成
③資源の共有
④資源の長期利用等

の観点から、資源循環経済政策を再構築し、国内の資源循環システムを自律化・強靭化を図るとともに、国際競争力の獲得を通じて持続的かつ着実な成長の実現を図っていくことを目的としています。

そのため、本研究会では、各界の近視眼的な利益を離れて、成長志向型の資源自律経済の確立に向けた総合的な政策パッケージの検討を進め、成長志向型の資源自律経済戦略について、議論・検討を進めていくとしています。

これまでの経済モデル整理してみたいと思います。

線形経済は、⼤量⽣産・⼤量消費・⼤量廃棄の⼀⽅通⾏の経済モデルで、調達、⽣産、消費、廃棄といった流れが⼀⽅向の経済システムです。

循環経済は、あらゆる段階で資源の効率的・循環的な利⽤を図りつつ、ストックを有効活⽤しながら、サービス化等を通じ、付加価値の最⼤化を図る経済モデルです。

成⻑志向型の資源⾃律経済は、資源循環経済政策の再構築等により、汎⽤的な⼯業⽤品や消費財も射程に含め、国際的な供給途絶リスクを可能な限りコントロールし、国内の資源循環システムの⾃律化・強靱化を図るとともに、国際競争⼒の獲得を通じて持続的かつ着実な成⻑を実現する経済モデルです。

ライフサイクル全体での動静脈産業の連携の理想像(イメージ)は、以下のとおり整理しています。

スクリーンショット 2022-10-14 094414.png出典:経済産業省 第1回 成長志向型の資源自律経済デザイン研究会 2022.10

成⻑志向型の資源⾃律経済の確⽴に向けた今後の⽅向性では、成長機会として、ライフサイクル全体での「動静脈産業の連携」を図りつつ、循環に必須となる情報流通を促進して「循環度」の⾒える化により、資源循環市場を創出していくことをあげています。

出典:経済産業省 第1回 成長志向型の資源自律経済デザイン研究会 2022.10

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