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減少する転職者数、その原因は。令和4年版 労働経済白書から

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厚生労働省は2022年9月6日、「令和4年版 労働経済の分析」(労働経済白書)を公表しました。

労働経済白書は、一般経済や雇用、労働時間などの現状や課題について、統計データを活用して分析する報告書で、今回で73回目の公表となっています。

新型コロナウイルス感染症の影響が続く中でも、国内の経済社会活動は徐々に活発化し、雇用情勢には総じて持ち直しの動きがみられています。一方で、転職者数が2年連続で減少するなど、労働市場の動きには課題がみられるとしています。

1人ひとりが自分の意志で仕事を選択できる環境を整え、外部労働市場を通じた労働力の需給調整機能を高めていくことが重要です。

こうした問題意識を踏まえ、今回の白書では、今後の労働市場を見据えつつ、労働移動の重要性や、主体的なキャリア形成を行うための環境整備とその課題を分析しましています。

今回は、減少する転職者数について、とりあげたいと思います。

転職者数の推移をみると、リーマンショック期の2009年~2010年にかけて大幅に落ち込んだのち、労働力の需給の改善が進む中で2011年以降増加を続け、2019年は353万人となっています。

しかし、感染症の影響で2020年、2021年と減少が続き、290万人まで減少しています。

2020年以降についてみると、感染症の影響により、「人員整理・勧奨退職のため」という理由による転職者が増加した一方、「より良い条件の仕事を探すため」という理由による転職者が大きく減少したこと等により、転職者数は大きく減少しています。

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出典:労働経済白書 2022.9

主な産業別に2013年~2019年の労働移動者の「送出数」と「受入数」をみると、「卸売業,小売業」「製造業」「医療,福祉」などで労働移動者の数が多くなっています。

また、「宿泊業,飲食サービス業」「卸売業,小売業」などでは「送出数」が「受入数」を上回っており(送出超過)、「医療,福祉」「サービス業(他に分類されないもの)」「情報通信業」などでは「受入数」が「送出数」を上回っています(受入超過)。

スクリーンショット 2022-09-10 095631.png

出典:労働経済白書 2022.9

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