国内AIシステム市場は2021年の2,771億が2026年には8,120億へ
IDC Japanは2022年5月24日、「国内AIシステム市場予測」を発表しました。
2021年の国内AIシステム市場は、市場規模(エンドユーザー支出額ベース)が2,771億9,000万円、前年比成長率は26.3%になっています。
IDCでは、2023 年のAIシステム市場は25.9%増と前年に比べると成長スピードは鈍化するものの、引き続き成長を続けます。このことによって2021年~2026年の年間平均成長率は24.0%で推移し、2026年には8,120億9,900万円になると予測しています。
2021年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって低調となったAI プロジェクトが再開し進展を見せています。
また、新たなライフスタイルの勃興にデジタル商機を見出す企業によって、AI を活用した多様な実験型プロジェクトが繰り返し実施され、AI システムが本番運用を開始するケースも順調に増加しているといます。
2021 年のAI システム市場は同市場の54.0%を占めるソフトウェア市場が、前年比で28.5%増加したことが成長の要因となっています。
また、AI システム市場の29.3%を占めるサービス市場は、ビジネス変革支援、IT コンサルティング、アプリケーションの開発や運用支援のニーズが高まり、同36.0%増と高い成長となっています。
ハードウェア市場は2020 年の急速な成長の反動減が2021 年に生じ成長率は落ち込んだものの、それでもなお同7.1%増と緩やかな成長を示す結果となっています。
IDCでは、2022年の国内AIシステム市場における市場規模は、前年比29.0%増の3,576億3,400万円と予測します。
同市場は経済成長スピードの鈍化が続く国内において、デジタルに変革と企業価値の創造を見出そうとする意欲的な企業がリードし、AI による従業員の能力拡張や事業計画の予測と意思決定が強化されるとしています。
また、AI 活用の学習と経験を重ねた企業がより高度な目的のためにAI プラットフォームを活用するケースや、AIの導入スピードを優先する企業がSaaS型のAI アプリケーションを採用するケースが今後も増加すると予測しています。
また、これらの企業へのソフトウェアやクラウドコンピューティングサービスの導入支援、企業のAI 人材の内製化支援や上流の経営変革を目的としたコンサルティングサービスなどを中心に積極的な投資が行われると予測しています。
出典:IDC Japan 国内AIシステム市場予測 2022.5.24