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高校教育~大学・大学院教育における専攻分野の推移、深刻化する理系離れ

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内閣府は2021年11月25日、「総合科学技術・イノベーション会議 教育・人材育成ワーキンググループ(第4回)」を開催しました。

今回は、この中から深刻化する理系離れの状況について、とりあげたいと思います。

義務教育終了段階では、比較的高い理数リテラシーを持つ子どもが約4割いるにもかかわらず、高校段階では、文理別のコースを選択するシステムも契機になり、理系が2割と半減しています。さらに、大学入学時には学士は入学定員とも関連して、約1割に半減し、修士・博士と先細っていく状況となっています。特に、女子の理系離れは深刻であり、学士の理工農系進学は、女子全体のうち5%となっています。

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高校教育~大学・大学院教育における専攻分野の推移
出典:総合科学技術・イノベーション会議 教育・人材育成ワーキンググループ(第4回) 2021.11

文系・理系への「志向」の変化としては、中学校→高校では、理系志向の割合は増えず、中学生のときに「わからない」と答えていた層が、高校生になると文系志向に移行している状況です。

高校における学習コースの文系・理系のコース分けは、66%の高校で実施しており、大学進学を希望する生徒の割合が高い高校ほど実施率が高く、高1の秋には文理の選択を迫られ、文理分断されている状況となっています。

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中学生~高校生の文理の志向の変化、高校の学習コース
出典:総合科学技術・イノベーション会議 教育・人材育成ワーキンググループ(第4回) 2021.11

高等教育在学者の専攻分野別の構成比について、諸外国と比較した場合、明らかに理学・工学・農学系の比率が低くくなっています。

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各国比較における高等教育在学者の文理のアンバランスな状況
出典:総合科学技術・イノベーション会議 教育・人材育成ワーキンググループ(第4回) 2021.11

大学などの高等教育機関に入学した学生のうち、STEM分野に占める女性割合は、OECD加盟国中、日本は最低であり、女性の理工系人材の育成が極めてアンバランスな状況となっています。スクリーンショット 2021-11-27 15.52.59.png

女性の理工系人材育成のアンバランスな状況
出典:総合科学技術・イノベーション会議 教育・人材育成ワーキンググループ(第4回) 2021.11

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