企業ネットワークにおける今後対応すべき重要な課題は、在宅勤務、セキュリティ、クラウドシフト
IDC Japanは2021年11月4日、国内企業ユーザーのネットワークに関する「2021年 企業ネットワーク機器利用動向調査」の調査結果を発表しました。
出典:IDC Japan 2021.11
今回の調査では、在宅勤務への対応など急激な変化への対応に追われた2020年と比べると企業のネットワーク管理部門も落ち着きを取り戻しつつあります。
その一方で、引き続き在宅勤務とセキュリティおよびクラウドシフトに強い課題意識があることがあきらかになっています。
今後対応すべき課題として、在宅勤務のネットワーク品質向上やセキュリティ脅威への対応に加えて、在宅勤務におけるセキュリティやクラウドシフトへのネットワークの対応が上位にはいっています。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大以降、ネットワーク管理の省人化意識が高まっていることや、フリーアドレス/無線LAN化を促進していることも顕著となっています。
企業の拠点やリモートアクセス端末から直接インターネットに接続するインターネットブレークアウトに対する期待が高いことも明らかになっています。
インターネットブレークアウトを導入または検討している回答者は約7割に達し、一般的に拠点数が多くトラフィックも多い大企業の導入意向が高くなっています。
さまざまなインターネットブレークアウトの導入形態の中では、セキュリティアプライアンスを新たに導入する形態が最も優勢で、新たな装置を導入してインターネットブレークアウトを実現しようと多くの企業が考えていることが分かりました。
市場に浸透しつつあるクラウド管理型ネットワークソリューションについても調査しています。2021年の調査では、クラウドからネットワーク機器を管理するクラウド管理型ネットワークを5割強の回答者が導入してみたいと考えていることが明らかになっています。
また、クラウド管理型ネットワークがもたらす利便性の中では、遠隔地のネットワーク機器の管理に最も多くの企業がメリットを感じており、クラウド管理型ネットワークの訴求ポイントは固まりつつあります。
AIや機械学習をネットワーク運用管理に取り入れる動きが進んでおりますが、本調査でも約9割の回答者が有効であると認識していることも明らかになっています。
IDCでは、
AIや機械学習の活用によって、障害発生時の自律的回復や予兆検知、トラブルシューティングのサポートといった障害発生を起こさない、または迅速かつ低負荷で回復できることが期待されている。ネットワーク運用管理の省人化に寄与する有効な技術の一つとして、より多くの企業がその利便性を享受できるように、企業向けネットワーク機器ベンダーは幅広いAI/機械学習を活用したソリューション開発に注力すべきである
とコメントしています。