地方公共団体の基幹業務等システムの統一・標準化が目指す姿と統一・標準化の対象業務の範囲
デジタル庁は2021年9月22日、「地方公共団体の基幹業務等システムの統一・標準化に関する関係府省会議」を開催しました。
本会合での議題は、
(1)地方公共団体情報システムの標準化に関する法律への対応について
(2)地方公共団体の基幹業務システムの標準化のために検討すべき点について
(3)標準化作業の進捗状況等
などの議論・検討を行っています。
勢津では、2021年6月18日に、デジタル社会の実現に向けた重点計画を閣議決定しています。
地方公共団体の基幹業務システムについて、情報システムの迅速な構築と柔軟な拡張、データ移行や連携の容易性の向上、高度のセキュリティ対策の導入、サーバ等の共同利用による情報システムに係るコスト削減等を通じて、デジタルファースト及びワンスオンリーを徹底し、住民サービスの向上と行政の効率化を図るため、基幹業務システムを利用する原則全ての地方公共団体が、目標時期である令和7年度(2025 年度)までに、ガバメントクラウド上に構築された標準化基準に適合した基幹業務システムへ移行する統一・標準化を目指す。
としています。
具体的には、以下の3点を中心に取り組んでいくとしています。
① 複数のアプリケーション開発事業者が標準化基準に適合して開発した基幹業務等のアプリケーションをガバメントクラウド上に構築し、地方公共団体がそれらの中から最適なアプリケーションを選択することが可能となるような環境の整備を図る。
② その結果、地方公共団体が基幹業務等のアプリケーションをオンラインで利用することにより、従来のようにサーバ等のハードウェアやOS・ミドルウェア・アプリケーション等のソフトウェアを自ら整備・管理することが不要となる環境の実現を目指す。
③ ガバメントクラウドが提供する共通的な基盤や機能を活用しながら、アプリケーションレベルにおいては複数の民間事業者による競争環境を確保して、ベンダーロックインによる弊害を回避する。
出典:地方公共団体の基幹業務等システムの統一・標準化に関する関係府省会議 2021.9.22
「地方公共団体の基幹業務システム」とは、国民生活に直接関係する事務に係る情報システムであって、相互に連携が必要なシステムを指しています。
具体的には、「地域情報プラットフォーム/中間標準レイアウト」で示されている17の「業務ユニット」に係るシステムを指しており、加えて、「デジタル社会の実現に向けた重点計画(令和3年6月18日閣議決定)」において、「標準化対象事務は、標準化法の趣旨を踏まえ、情報システムによる処理の内容が地方公共団体において共通しているかという観点等から、累次の閣議決定において示されてきた 17 業務に、戸籍、戸籍の附票及び印鑑登録事務を加えることを検討する。」とされており、今後、地方公共団体の意見を聞く等、手続を進める予定となっています。
出典:地方公共団体の基幹業務等システムの統一・標準化に関する関係府省会議 2021.9.22
「標準化対象の事務」について標準仕様を作成し、標準準拠アプリはカスタマイズをしないこと(ノン・カスタマイズ)を徹底すると同時に、標準仕様は、デジタル3原則に基づくBPRのベストプラクティスを反映・随時更新することで品質の向上を図る。標準化対象事務についての地方公共団体の規模の違い等による事務処理の違いは、標準オプション機能で対応していくとしています。
また、「標準化対象外の事務」については、標準準拠アプリをカスタマイズしないよう、標準準拠アプリとは別に、標準準拠アプリとは疎結合した形で別に構築(アドオン)し、標準準拠アプリとAPI連携等により連携していくとしています。
出典:地方公共団体の基幹業務等システムの統一・標準化に関する関係府省会議 2021.9.22