オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

電力ネットワークの次世代化に向けたロードマップ

»

経済産業省の総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会は2021年9月6日、「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会 電力ネットワークの次世代化に向けた中間とりまとめ」を公表しました。

本中間とりまとめでは、電力ネットワークの次世代化に向けたロードマップを示しています。

ロードマップでは、カーボンニュートラルの実現を支える強靭な次世代型の電力ネットワークの実現を目指しています。

スクリーンショット 2021-09-11 15.16.18.png

出典:経済産業省 2021.9

それぞれの取組は以下のとおりです。

系統の新設・増強

<電力系統の増強>
・送電網整備のマスタープランについて、2021年5月に中間整理を行い、エネルギー基本計画等を踏まえ、 2022年度中を目処としてマスタープランを策定する予定。一部の地域間連系線については、電源等の意向を調査する仕組み等を踏まえた評価方法を検討及び整理した上で、マスタープランの策定を待たず、足下の電源ポテンシャルを踏まえて、増強計画(広域系統整備計画)の具体化について検討を進める。なお、ローカル・配電系統については、レベニューキャップ制度の下、増強計画が策定されることになる。
・地域間連系線及びこれに伴う地内系統の増強に係る費用については、既存の再エネの稼働率を高め、その最大限の活用を促し、中長期的には、より安価なコストの再エネ導入が進む効果が期待されるため、一部再エネ特措法上の賦課金方式を活用する。

既存系統の有効利用

<既存系統の有効活用>
・既存系統を有効活用し早期の再エネ導入を進める「日本版コネクト&マネージ」の取組の1つであるノンファーム型接続について、全国展開に向けた検討を行い、2021年1月より全国の空き容量の無い基幹系統に適用した。
・ローカル系統でも、2022年度末頃を目途にノンファーム型接続の受付を順次開始することを目指し、物理的な連系のタイミングや在り方については、技術開発や利用ルール見直し・バランシングメカニズムの進捗を踏まえて、引き続き検討していく。
・気象条件等により送電線等の容量を動的に扱う手法であるダイナミックレーティングについて、実証事業等を通して、適用系統や適切な方式等についての検討を深め、課題の整理をしていく。
<利用ルール見直し>
・従来の先着優先の考え方から、メリットオーダーへの早期の転換方策として、送配電事業者の指令により、実需給断面において、混雑系統内の発電所の出力を制御し、制御した同量を、送電できなかった先のエリアにおいて、代わりとなる発電所から再び給電する方式(再給電方式)を、2022年中に開始する。
・再エネ出力制御量低減や、FIP制度の開始に伴う再エネの将来的な電力市場への統合も見据え、非FIT再エネの下げ調整を含め、可能な限りすべての電源の上げ・下げ両方向の調整を市場取引価格により行う仕組みであるバランシングメカニズムの在り方について、検討を深めていく。
・将来的な市場主導型(ゾーン制・ノーダル制)への移行に向けては多くの課題があるが、可能な限り早期な移行を目指す。

透明性・公平性の確保

<系統情報の公開・開示の高度化>
・再エネ出力制御の予見可能性を高め、電源の適切な立地誘導を行うためには、電源や系統に関する情報の公開・開示が重要である。そのため、情報開示請求者の要件見直しや、リアルタイムでのビジュアル化したデータ公開、需給制約による出力制御検証時の個別電源情報の取扱いを系統情報ガイドライン上に明記等を進める。

Comment(0)