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SXの時代~究極の生き残り戦略としてのサステナビリティ経営 から

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いま世界で、本格的にサステナビリティを軸にした経営改革(サステナビリティ・トランスフォーメーション=SX)が注目されています。

私自身も何度か、SXをテーマに記事を寄稿したり、講演でお話をする機会が増えてきました。

SXをテーマにした書籍も発刊されています。

SXの時代~究極の生き残り戦略としてのサステナビリティ経営」も書籍も購入し、読みました。

SX先進企業は、CO2排出ゼロ(ゼロエミッション宣言)を目標に打ち出し、企業内だけでなく、取引先を含めたサプライチェーン全体で、ビジネスの根幹から環境や社会に配慮するために、事業ポートフォリオ・ビジネスモデルの根本的見直しや、事業自体の再創造に取り組んでおり、サステナビリティ経営に向き合う必要が出てきています。

『SXの時代』の主な内容は以下のとおりです。

序章 あなたの会社のサステナビリティ経営は本物か?
第0章 「本物のサステナビリティ経営」とは何か?
第1章 なぜSXが求められているのか?
第2章 統合思考でビジネスへの影響を考える
第3章 七つの長期的構造変化
第4章 未来志向型SXの三つのタイプ
第5章 トレードオンを阻む五つの壁

この中から、いくつか印象に残った文章を引用します。

サスティナビリティ経営(環境価値や社会価値)と利益(経済的価値)をトレードオフの関係ととらえている人が非常に多い。(中略)そうではなく、この2つのトレードオフの関係、つまり、「経済価値と環境・社会の価値は同時に高められる」という発想が、これからの企業経営者に求められることだ。P13

長期で利益を出し続けるために必要なことは何か。まずは、その企業が長きにわたって市場から求められること。第二に供給(原材料、知財、人材など)を長期的に維持すること、第三に社会からも信頼され続けることだ。P16

サスティナビリティの考え方。現在の第3世代(2010年以降)では、(中略)親亀が環境価値、子亀が社会価値、孫亀が経済価値である。(中略)つまり、経済活動は環境・社会を前提としていて、事業活動全体が、環境・社会と両立していなくてはいけない、という考え方だ。P19

どのような変化が起きようとしているのかを理解し、現在の自社の強み・能力でその変化に対応できるのか、対応できない部分があるとしたら何が足りないのかを考え抜き、強い意志を持って自分の変革をリードしていけば、必ず乗り越えられる。それが真のサスティナビリティ経営であり、実現には全社的な変革(トランスフォーメーション)、つまりSX(サスティナビリティ・トランスフォーメーション)が深けるだ。P22

長期の外部環境変化を理解し、ビジネスへのリスクを機会と考えるのに有効なフレームワークとして「統合思考」がある。(中略)統合思考に基づき、外部環境を理解し、リスク・機械に対応し、企業を持続的に成長させるためには、①長期的視点を持つ、②先を予見し事前に対応する、③ビジネスの最初から最後まで一貫(統合)した対応を行う、の3点が基本となる。P61

サスティナビリティ・トランスフォーメーションとは、①トレードオン事業を追求すること、②統合思考で長期的戦略を考えること、③実現できる仕組みを構築することの3点に集約される。P144

サスティナビリティ経営には、規制などの外圧に対処するための「外発的対応」と、サスティナビリティの重要性を理解して自ら進める「内発的対応」がある。外発的対応には、「①インシデント対応型」と、「②外部要請型」に分けられ、内発的対応は、「③未来志向型」と「④ミッションドリブン型」に分けられる。P144

サスティナビリティをめぐる世界の動きが加速する中、受身的で外発的な対応では激動する世界をうまく生き延びることはできないだろう。(中略)背景にある「長期的構造変化」を理解した上で、より積極的に未来を予見し、プロアクティブに企業を変革を進める、つまり、サスティナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の第一歩をぜひとも踏み出してほしい。P381

自分自身も、SXは重要なテーマの一つとして、デジタルの視点を中心に追いかけけていきたいと考えています。

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