人材戦略に求められる3つの視点と5つの共通要素
経済産業省は2021年7月1日、「第1回 人的資本経営の実現に向けた検討会」を開催しました。
本検討会の資料から、人材戦略に求められる3つの視点と5つの共通要素を中心にとりあげたいと思います。
経営陣が主導して策定・実行する人材戦略について、3つの視点(Perspectives)、5つの共通要素(Common Factors)を、3P・5Fモデルとして整理しています。
人材戦略に求められる3つの視点は、
視点1:経営戦略と人材戦略の連動
視点2:As is To ギャップの定量把握
視点3:企業文化への定着
人材戦略に求められる5つの共通要素は、
要素① 動的な人材ポートフォリオ
要素② 知・経験のD&I
要素③ リスキル・学び直し(デジタル、創造性等)
要素④ 従業員エンゲージメント
要素⑤ 時間や場所にとらわれない働き方
出所:経済産業省 第1回 人的資本経営の実現に向けた検討会 2021.7
これから、特に、求められるのが、
要素④ 従業員エンゲージメント
要素⑤ 時間や場所にとらわれない働き方
です。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、リモートワークの利用が進んでおり、従業員エンゲージメントのあり方が重要になっています。企業のアンケートによっては、リモートワークの利用が進んだ企業では、「従業員満足度(ES)」が上がった企業もあると認識しており、リモートワークネイティブや分散型社会を前提とした従業員エンゲージメントの再設計もポイントとなるでしょう。
④につながるのが、時間や場所にとらわれない働き方です。私自身も自宅で働く機会が大半を占めるようになり、職住融合やライフワークインテグレーションといったように、働き方そのものが大きく変化していく動きが顕著となっています。
こういった中での人材戦略、企業の経営戦略にも直結する、経営戦略の重要な位置づけが強くなっていくでしょう。