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データによって企業はどのような価値を生み出しているか。~データの価値計測に係るアンケート調査結果及び分析から

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総務省は2021年6月4日、「AIネットワーク社会推進会議 AI経済検討会(第14回)データ専門分科会(第12回)合同会議」を開催しました。

この中から、データの価値計測に係るアンケート調査結果及び分析から、企業のデータの価値について、とりあげたいと思います。

本推進会議では、「AI時代のデータ経済政策」の検討の成果を踏まえ、データの経済価値についての調査・分析の精緻化を図るため、今期も企業向けのアンケート調査を実施しえいます。

それぞれの業務領域において、データ分析した結果を何らかの判断に用いているか、という問いに対して、経営企画・バックオフィス系業務がもっとも多く、72%を超えています。

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出典:総務省 AIネットワーク社会推進会議 AI経済検討会(第14回)データ専門分科会(第12回)合同会議 2021.6

データ分析を⾏う際、おおよそどれくらい前に蓄積したデータまで遡って利用しているか、の問いに対しては顧客情報に関しては、5年前以上のものを含むケースが5割近くを占めています。

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出典:総務省 AIネットワーク社会推進会議 AI経済検討会(第14回)データ専門分科会(第12回)合同会議 2021.6

データの価値が年数とともに減耗していくとすると、企業がどれくらい前に蓄積したデータまで遡って利用しているのか、という情報を元にデータの価値が減耗していく程度を考えることができるとしています。

また、顧客の基本データは減耗が⼩さく、⼈の⾏動やWeb上のアクションデータは減耗が大きい結果となっています。

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出典:総務省 AIネットワーク社会推進会議 AI経済検討会(第14回)データ専門分科会(第12回)合同会議 2021.6

それぞれの領域でデータを活⽤することによって、2019年度には業務効率化による費⽤削減等でどのくらい効果があるか、の問いに対しては、経営企画・バックオフィス系業務をはじめ、おおむね1割前後が「非常に効果があった」、4割前後が「多少効果があった」と回答しています。

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出典:総務省 AIネットワーク社会推進会議 AI経済検討会(第14回)データ専門分科会(第12回)合同会議 2021.6

それぞれの領域でデータを活⽤することによって、2019年度には売上⾼増加等でどのくらい効果があったか、という問いに対しては、特に、マーケティングの領域では高い数値となっています。

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出典:総務省 AIネットワーク社会推進会議 AI経済検討会(第14回)データ専門分科会(第12回)合同会議 2021.6

データをどのように処理したものを各領域で活⽤しているか、という問いに対しては、経営企画・バックオフィス系業務が、9割近くが集計用、解析が6割弱となっています。まだまだ、AIのサービス利用は限定的となっています。

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出典:総務省 AIネットワーク社会推進会議 AI経済検討会(第14回)データ専門分科会(第12回)合同会議 2021.6

データ分析をどのくらいの頻度(間隔)で⾏いますか、という問いに対しては、毎月1回程度が半分近くとなっています。1日複数回程度を使うケースは1割前後にとどまっています。

出典:総務省 AIネットワーク社会推進会議 AI経済検討会(第14回)データ専門分科会(第12回)合同会議 2021.6

それぞれの領域においてデータ分析をする際にどのようなデータを⽤いているか、という問いに対して、特に多いのが、顧客等とのやり取りのデータが多くなっています。自然・公共由来のデータ、いわゆる、オープンデータとかの利用はあまり利用されていないという印象です。

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出典:総務省 AIネットワーク社会推進会議 AI経済検討会(第14回)データ専門分科会(第12回)合同会議 2021.6

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