デジタル人材の能力・スキルの見える化に関するエコシステムとデジタルバッジ
経済産業省は2021年6月1日、「第4回 デジタル時代の人材政策に関する検討会」を開催しました。
この中から、デジタル人材の能力・スキルの見える化に関するエコシステムについてとりあげたいと思います。
デジタル人材の能力・スキルの見える化に関する課題認識は、
・これまでの人材とは異なるデジタル人材の育成をさらに促進・強化するためには、デジタル人材に必要な能力・スキル・経験等を明らかにするとともに、それらを適切に測り、見える化する方法が必要である。
・デジタル人材の能力やスキルの見える化は、育成における現状把握のほか、適切な目標設定や人材の評価、キャリアアップ(雇用機会)などにもつながる仕組みとして実現される必要がある。「学び」と「見える化/評価」と「キャリアアアップ(雇用機会)」は、一体として考えることが必要である。
・さらに、社会全体のデジタル化を進めるためには、高度な能力・スキルを有する産業界のデジタル人材に限らず、産業界で活躍する前の若い人材等も含めて、社会全体のデジタル活用能力を高めるための一貫性のある「学び」と「評価」の仕組みが必要である。
という点をあげています。
検討の視点例として、
・デジタル人材に必要な能力・スキル・経験とは何か。また、それらを測り、見える化する方法として、どのような方法が適切か。能力・スキル・経験を包括的に測る方法はあり得るか。さらには、デジタル時代に即した新たな能力評価・見える化の理想的な在り方とは、どのようなものか。
・「学び」と「評価」と「キャリア(雇用機会)」をつなぐ能力・スキルの見える化のエコシステムに求められる機能とはどのようなものか。
・産業界に限らず社会全体のデジタル活用能力を高めるために、産業界に入る前の人材等も対象とする段階的な学びや評価の仕組みが必要なのではないか。また、そのような段階的な学びや評価に活用できる指標や基準等も必要なのではないか。
をあげています。
こういった状況を踏まえ、能力・スキルの見える化に関するエコシステムのイメージを以下のとおり整理しています。
リファレンスとしての能力・スキル・知識の体系・標準や、職種や業務能力との関連性を示す仕組、能力(評価)を流通させる仕組、さらには、評価の信頼性、有用性担保のためのトラストアンカー的(学ぶ内容と評価)な役割と正当性の確保のポイントをあげています。
出典:経済産業省 第4回 デジタル時代の人材政策に関する検討会 2021.6
デジタルバッジの動向についてもとりあげています。
DXの実現に向けて、企業ではデジタルに精通するデジタル人材の確保、また社会的にはデジタル人材の流動性を高めていくことが重要となる。デジタル人材のスキルや専門性等を確認する手段として、資格や認定、成績等があるが、資格等を電子的に証明し、スキル等を見える化・共有できる「デジタルバッジ」が普及し始めている動きを紹介しています。
特にデジタル人材の流動性が高まりつつある昨今、企業が応募者の資格等を確認する場面のほか、LinkedInなどのビジネスSNS上で自身のスキルや専門性等を企業にアピールする場面で、デジタルバッジは有効になると期待されている。
出典:経済産業省 第4回 デジタル時代の人材政策に関する検討会 2021.6
私自身もLinkedInは適宜アップデートしていますが、自分自身のスキルや専門性をアピールする上では、重要な位置づけと感じています。