サステナブル指標の設定へ ~豊かさを再定義する~
経済産業省は2021年6月2日、「グリーン成長に関する若手ワーキンググループ」の報告書をとりまとめを公表しました。
経済産業省の「グリーン成長に関する若手ワーキンググループ」が、報告書「自分ゴトにするために 共感から始めるカーボンニュートラル」をとりまめ、価値観の多様性を踏まえ、個人個人が、「能動的に」「我が事として」カーボンニュートラルに取り組める環境を整備するための政策を提言しています。
報告書の主な内容は、
2050年カーボンニュートラルに向けて、一人一人の意識変革・行動変革を起こすためには、「やらされ」ではなく「能動的に」「我が事として」カーボンニュートラルに取り組める環境をつくること
また、企業や自治体、ひいては一個人の立場から、なぜカーボンニュートラルに取り組むのかといった、納得や共感を得られることが大切
そのため、本報告書では、価値観の多様性を踏まえて、カーボンニュートラルに取り組む「きっかけづくり」に焦点を当て、豊かさを再定義する新たな指標の設定や、カーボンニュートラルに対応するためのコストの可視化、カーボンニュートラルを支える人材育成等の政策
などを提言しています。
長期的に取り組むために、国がビジョンと指標を設定し、現状を把握する仕組み構築が必要とし、指標と現状の可視化を参考にして、企業や自治体がそれぞれの特色に合わせた取り組みができるようになるとしています、
<具体的に取り組むための行動の明確化>
■ビジョンと指標の設定
1)サステナブル指標の設定
持続可能性の観点から経済を捉え直す新たな経済指標を提案
■現状把握の仕組み構築
2)行動の可視化
一人ひとりが考え、行動に繋げるためには「べき論」ではなく「共感」で広げる
3)データの可視化
目標実現までのシナリオを考えるためにCO₂排出量を把握
4)コストの可視化
移行コストを踏まえて複数の取組パターンを示す
■プロセスの設計
5)炭素循環プロセスの構築
CO₂の資源化による新たな産業の創出
6)人材育成
イノベーションを生み出す取組と人材を後押し
本報告書では、GDPに匹敵する指標として、経済の持続可能性を表す新たな経済指標を提案しm「未来に何を残すのか」という視点から、人・環境・資源・社会などの持続可能性を測る重要性を指摘しています。
国の経済指標として、「持続可能性」を掲げる必要性をあげています。
これまでは経済成長によって豊かになり、選択の自由が増えてきたが、現在は気候変動・人口減少・格差拡大・莫大な国債残高などに直面。企業は株式市場などにおいてESGという持続可能な価値が求められるようになっているが、国全体を表す指標や、2050年以降を見据えた長期的な視座に基づく指標はまだないという課題を指摘しています。
これまでのようにGDP(経済規模)を拡大するだけでなく、経済をまわす基盤である社会や環境とのバランスを同時に模索し、GDPと異なる切り口として、未来視点とダイバーシティを重視して新たなビジョンと指標が必要としています。
出典:「グリーン成長に関する若手ワーキンググループ」の報告書 2021.6