企業の国際的なデータの移転・活用に関する状況について
経済産業省は2021年5月31日、国際的なデータ活用による社会課題の解決、企業の付加価値創造を後押しするため、日本の提唱する"Data Free Flow with Trust (DFFT)"の実現に向けた企業アンケートを実施しています。
アンケートでは、企業の海外におけるデータの取得や活用、データの越境移転の状況、各国規制への対応などについて、とりまとめています。
データ活用・越境移転の状況についてみてみましょう。
国内・海外問わず、データを活用した製品・サービスの競争力向上のための取組の有無や、海外でのデータ活用を実施している場合、データ活用に伴うデータの越境移転の状況をアンケート調査をしています。
その結果、68%の企業が、海外の市場や生産拠点等においてデータを取得し、活用していると回答しています。
海外で取得したデータの活用事例では、
・生産工程・サプライチェーンの効率化
・製品・サービスの開発・品質改善
・マーケティング
・故障予知や不具合の分析
などの回答が多く見られています。
また、58%の企業は、海外で取得したデータの活用に伴い、データの越境移転を行っていると回答しています。
出典:経済産業省 企業の国際的なデータの移転・活用に関する企業アンケート 2021.5
データの越境移転理由では、全体回答のうち、「データ分析の効果を高めるために、より多くのデータを集約することが望ましいため」、という回答が36%を占めています。
「データ集約による管理コストの削減」、また「クラウドサービスの利用などに当たっての物理的なサーバー設置場所の制約」という回答が約半数の48%となっています。
出典:経済産業省 企業の国際的なデータの移転・活用に関する企業アンケート 2021.5
データの越境移転に関してどのような対応が望まれるかについては、各国において異なる制度やローカライゼーション要求への対応は企業活動上のコストとなることから、国際的な制度の統一化(16社)、ローカライゼーション要求の撤廃(9社)を求める意見が多数を占めています。
また、クラウドを利用する際に適用される越境移転ルールの整理・明確化を求める意見も多く、6社となっています。
出典:経済産業省 企業の国際的なデータの移転・活用に関する企業アンケート 2021.5