オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

国内のDX市場は2030年には2019年比3.8倍の3兆425億円に

»

調査会社の富士キメラ総研は2020年10月23日、『2020 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望』を公表しました。

本調査では、DXの国内市場(投資金額)を製造、流通、金融、医療/介護、交通/運輸、不動産、その他業界、業界共通である営業・マーケティング、カスタマーサービスに大別して市場をまとめています。

スクリーンショット 2020-11-11 205341.jpg

出所2020 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 2020.10

2019年度では、交通/運輸の市場規模が最も大きく、2030年度に向け最大規模を維持しながら拡大していくと予測しています。

社会的な課題である安全に向けた取り組みに加え、CASEへの対応をはじめ新領域への投資が活発化していくとみています。

金融は次世代金融基盤サービスやデジタル審査・予測への投資が中心となっています。

次世代金融基盤サービスは、2017年度の改正銀行法を契機にAPIの構築が進み、2019年度から2020年度にかけて、API公開などの体制が整い始めています。

今後は複数のサービスが相互に連携することでシームレスな金融サービスの普及が期待されるとしています。

デジタル審査・予測は、以前から業務の自動化や省力化を計画していた企業が、新型コロナウイルス感染症の影響により計画を前倒ししていることから市場は伸長しているとしています。

製造はスマートファクトリーやサービタイゼーションへの投資が中心で、スマートファクトリーの実現に向け、生産設備の稼働状況の可視化を目的とする投資が進められるとしています。

ラズベリーパイをベースとするIoTシステムや安価で実装可能なクラウドサービスの普及により導入のハードルが下がり、幅広いユーザー層で可視化に向けた取り組みが進められています。また、可視化された情報の分析、AI予測などによる作業効率の改善や予兆保全に向けた取り組みも活発化してます。

流通はデジタルオペレーションへの投資が中心となっており、在庫の最適化による逸失利益の削減に向けた取り組みが進められています。
また、季節性やイベントなどの外部要因も含めた複雑な判断をシステムが支援することで、業務属人化の防止を目的とした投資も増加しています。今後は人手不足への対策として、業務効率化を目的とした投資が積極的に行われると予測しています。

流通は2030年の市場が2019年比で6.5倍となっており、市場の拡大が期待されます。

Comment(0)